アルマイトキット 彩

アルミニウムの耐食性を高め、鮮やかな染色を可能にするアルマイト加工の専用キット。法律で薬剤の濃度に規制がある電解液を、個人でも安全に扱えるよう開発。専用設備でなければ難しかった高品質な表面処理を、最低限の製品構成で実現した。発色の美しい染料も取りそろえ、アルマイト加工の可能性を、より幅広く自由に広げていく。

アルマイト加工とは

希硫酸内でアルミを陽極として水の電気分解を行い、アルミ表面に酸化皮膜(アルミナ)を生成させる処理のこと。アルマイト処理を行うことで耐食性、耐摩耗性が向上するほか、微細孔を持つ酸化皮膜に染料を吸着させることで、定着性の高い着色処理が可能になる。

アルマイト処理の工程

1|洗浄

事前に中性洗剤などで汚れや油脂をしっかり落としておく。

2|陽極酸化[30分]

希硫酸中で電流を流し、酸化皮膜を生成させる。

2.5|着色[30分]

着色[30分](白アルマイトの場合はこの工程は省略)
染料を溶かしたお湯の中で染色を行う。

3|封孔[15分]

90°Cの封孔剤に投入し、酸化皮膜に発生した微細孔を塞いで耐食性を高める。


製品構成

プラスチック容器
(陽極酸化槽)

ソフトバケツ
(洗浄槽)

電源装置

ブースターケーブル
(赤黒1本ずつ)

アルミ棒

鉛板

アルミ線(5m巻)

温度計

電解液(4L2本)

封孔剤(18L分)

投げ込みヒーター

カビ防止剤(8cc)

その他、ご用意いただくものについてはこちらをご覧ください。

仕様


処理可能寸法


処理可能寸法

W:210mm
D:300mm
H:100mm


電源


電源

12VDC30A


処理可能面積


処理可能面積

100000mm²まで可


処理可能材質


処理可能材質

A1000系、A5000系、A6000系
※ 本製品でA2000系、A7000系にアルマイト処理すると緑がかったり、斑点がついたりします。


廃液処理について


電解液、封孔液、染色液は劇毒物ではありませんので、下記の手順にてご家庭で処分することができます。

■ 電解液
水で4倍以上に薄めて排水口に流してください。
重曹を少しずつ入れて中和させておくとより安全です。(※ 重曹を一度に大量に入れると発泡、発熱して危険です。ご注意ください)

■ 封孔液
水で4倍以上に薄めて排水口に流してください。

■ 染色液
市販の塩素系漂白剤で脱色してから排水口に流してください。

材料について


  • インサートやリベットなどの異種金属は硫酸に溶け出して電解液の寿命を短くします。
  • A2017は白い製既出物(スマット)が発生し、アルマイトがかかりません。
  • A7075も同様にスマットが発生するものの、アルマイトがかかって薄く色が付きます。
  • 鋳物のアルミは黒ずみが発生するので、黒アルマイト以外は適しません。
  • 材料表面を強くこすると、アルマイト時にムラになることがあります。

洗浄について


  • 中性洗剤では油を取りきれない場合があります。有機溶剤やアルカリ性洗剤を併用するとより確実です。

陽極酸化処理について


  • 電解液の温度が20°Cにて陽極酸化処理をした場合、着色性が良くなります。
  • 電解液の温度が低い場合、色は薄く、皮膜強度が高くなる傾向があります。
    原理上、硫酸濃度を上げて、低温で陽極酸化処理を行ったものが硬質アルマイト処理になります。
  • 鉛板は処理中、表面に不純物が付着しますので、使用後は金属タワシなどでこすり落とすと、鉛板の延命、電解液の汚損防止になります。
  • 複数の材料を同じ色にしたい場合は、まとめて一度に陽極処理すると色合いに差が生じません。

染色について


  • 最初の1分ほどで全体の濃さの半分ぐらいが染まります。
    あとはゆっくり染まっていくので、染色時間を調整することで好みの色合いにすることが可能です。
  • 染料を混ぜて中間色を作ることも可能です。
    ただし、1:1の分量で混ぜても濃いほうの色が強く出るので試行錯誤が必要です。
  • 色を薄くしたい場合は、染料の濃度を下げるか、染色時間を短くします。(前者のほうが色の均一性が高くなります)
  • 色を濃くしたい場合、染料の濃度を上げるか、黒染料を少しだけ混ぜます。

色が付かない場合


■ アルミ線には色が付く場合
アルミ線と材料との接触が悪い可能性がありますので(道通不良)、接触がガタガタにならないようにしっかりと固定すれば色が付きます。

■ アルミ線にも色が付かない場合
アルミ線にも電流が流れていないか、アルミ線自体に問題があります。
もし市販のアルミ線を使用されている場合は、本製品に付属のアルミ線を使用してみてください。
市販のアルミ線は表面処理が施されている場合があり、その影響の可能性があります。
なお、アルミ線はオプション品からご購入いただけます。(商品ページへ

各液の寿命に関して


■ 電解液
電解液は使用していくうちに、アルミ成分が溶け出して徐々に濁ってきます。この濁りが白く目立ってきたら、アルマイトの色彩が悪くなるため交換が必要です。

■ 染色液
使用するたびに液体中の染料が消費されますが、その度合いは極微量なので相当な量を処理できます。それよりも、使用している水の水質や使用中の不純物混入、保存管理による影響の方が大きいです。高温多湿な環境で保管すると、カビや藻のようなものが発生して品質が低下する場合があります。
※ 水道水よりも精製水を使用したほうが色ムラや粉吹きが発生しづらくなり、寿命も長くなります。

■ 封孔液
封孔液は使用していくうちに水分が蒸発し、濃度が増して粉吹きが発生したりツヤのない仕上がりになります。そのために時折、水で薄める必要があります。また、濁りが目立つようになったら交換の時期です。
※ 水道水よりも精製水を使用したほうが色ムラや粉吹きが発生しづらくなり、寿命も長くなります。


色見本

カラーアルマイトの色見本です。アルマイトの条件により、色の濃さは異なることがあります。

サイズ 50mm × 50mm
板厚 1mm
材質 A5052(アルミニウム)

ご用意いただくもの


ガスコンロ

封孔処理で封孔剤を煮沸させるのに必要です。
鍋が対応していれば電気コンロでも問題ありません。


ステンレス製鍋

封孔処理槽として必要になります。ホーロー製が最適です。


ニッパー

アルミ線を切断するのに必要です。


染料、染色槽

染料、染色槽はキットに含まれていません。オプション品から必要なものをご購入ください。
白アルマイトの場合は不要です。


中性洗剤

アルマイト処理をするアルミ材を洗浄するのに使用します。


新聞紙

薬品の飛散防止に使用します。


ゴム手袋

安全のために必要です。


保護メガネ

安全のために必要です。


重曹

電解液をこぼした時や処分する時に使用します。


塩素系漂白剤

染料を処分する時に使用します。