Sample Collection / KitMill 0.5ミリピッチのフットプリントの精細な基板。
切削でも精細な加工を可能にする、基板加工専用エンドミル「土佐昌典VC」✕「基板加工アタッチメント」。
KitMillで基板加工しました。基板加工専用エンドミル「土佐昌典VC」と「基板加工アタッチメント」を使用することで、切削でも精細な基板を加工することができます。
こだわり抜いて独自開発した基板加工専用エンドミル「土佐昌典VC」
切削で基板を加工する場合エンドミルの太さが影響するため、精細な基板加工は不可能と思われがちです。しかし、基板加工専用エンドミル「土佐昌典VC」であれば、美しくバリのない溝が切削でき、0.5ミリピッチもの精細な基板が製作できます。
土佐昌典で精細な基板が加工できる理由
1. 独自の刃の特殊形状により、精細なライン加工もバリなく美しい仕上がりに。
土佐昌典VCの刃の形状は、基板加工にあわせた特殊形状に仕上げました。その中でも刃の先端部分は独自の開発により、極限までチゼルエッジを縮小することに成功。結果0.15〜0.3mmの精細な溝幅も、バリなく加工することが可能となりました。
2. エンドミル素材の粒子が細かいため、摩耗に強く安定して美しい加工が持続する。
生基板に貼り付けられている銅箔は柔らかい材料のため、エンドミルの刃には強度が必要ないと思われがちです。しかし銅は衝撃に対しては弱いものの、摩耗に対しては極めて耐久性が高いという特長を持っています。このため土佐昌典は超硬合金の中でもさらに高品質な素材を採用しました。超硬合金は細かな粒子を固めて成形したものですが、土佐昌典はさらに細かい微粒子から成形しています。そのため摩耗にめっぽう強く、寿命の50m程度の加工を施しても美しいラインを持続します。
3. 信頼できるMade In Japanで「芯」がしっかり出ているため、溝幅にブレがなく刃も長持ちする。
パッと見では全く同じ外観のエンドミルでも、精度の低いものの場合「芯」がきちんと出ていない場合があります。芯の出ていないエンドミルで加工をするとブレによってバリが出やすくなり、溝幅も広がり、さらに刃への負担も大きくなるため折損しやすくなります。土佐昌典は信頼できる国内メーカーで製造しているため、芯にブレがなく溝幅も指定通りに加工できます。
土佐昌典の加工の特長についてはこちらもあわせてご参照下さい。
基板は常に「加工深さを一定にする」ことが重要
基板加工では、パターン加工時の加工深さを一定にすることが重要です。たとえば先端がV字形状の刃物の場合、加工深さが変化すると溝幅が変わり、それに合わせてパターン幅も変わります。パターンが細い場合は、溝幅が変わることでパターンをすべて加工してしまう事もあります。そのため生基板が反っている場合や、加工テーブルが傾いている場合でも、加工深さを一定にする必要があります。
基板加工アタッチメントで「加工深さを一定にする」ことができる理由
1. プレッシャーフット機構で反りを抑えるから、加工深さが一定になる。
「基板加工アタッチメント」にはプレッシャーフットという機構が備わっています。生基板を押さえながら加工することで、生基板の反りを取りながら加工していくことができるため、加工深さは一定に保たれます。
2. ステージが傾いていてもZ軸がフリーで上下に動作するから、加工深さが一定になる。
「基板加工アタッチメント」はZ軸がフリーで上下に動作するため、ステージに傾きがある場合にも傾きに沿って加工することができます。そのためステージに傾きがあっても、加工深さは一定に保たれます。
剛性のあるKitMillで加工するからこその、安定感。
KitMillはもともと切削を目的に設計されているため、基板加工には十分すぎるほどの強度を備えています。それによって基板加工時も溝の深さや溝幅がブレること無く、精度の高い仕上がりを実現します。
加工に使用する材料、生基板。
基板加工の材料には生基板を使用します。生基板は絶縁体(ベークライト)に銅箔が貼られている構造になっています。銅箔の任意の部分を切削加工することでパターンを作成し、絶縁体ごと穴を開けたり切り抜いたりすることで基板を製作します。生基板は片面生基板と両面生基板があります。
今回使用した基板
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