「KitMill」による基板加工
「KitMill BS100/200」「KitMill CL100/200/420」は、オプション品の基板加工アタッチメントを取り付けることで、基板加工機としてもご使用いただけます。今回の特集では基板加工アタッチメント本体と、独自開発の基板加工専用刃物「土佐昌典VC」、「土佐昌典FT」の特徴、付属CAMソフト「ORIMIN PCB」についてご紹介します。
基板加工アタッチメントの特長
基板加工の材料には生基板を使用します。生基板は絶縁体(ベークライト)に銅箔が貼られている構造になっています。銅箔の任意の部分を切削加工することでパターンを作成し、絶縁体ごと穴を開けたり切り抜いたりすることで基板を製作します。
基板加工では、パターン加工時の加工深さを一定にすることが重要です。生基板が反っている場合や、傾いている場合(加工テーブルが傾いている等)でも加工深さを一定にする必要があります。先端が V字形状の刃物の場合、加工深さが変化すると溝幅が変わり、それに合わせてパターン幅も変わります。パターンが細い場合はパターンをすべて加工してしまう事もあります。また、小径のスクエアエンドミルの場合、加工深さが変化すると折れやすくなります。
加工深さを一定にする機構
こういった問題を防ぐために、「基板加工アタッチメント」にはプレッシャーフットという機構が備わっています。プレッシャーフットによって生基板を押さえながら加工することで、生基板の反りを取りながら加工することができます。また、Z軸がフリーで上下に動作するため、生基板が傾いている場合でも傾きに沿って加工し、加工深さを一定に保つことができます。
すべての工程をたった1本で加工できる専用刃物
従来の基板加工機では、パターン・穴・外形加工の各工程で使用する刃物が異なるため、1 枚の基板を製作するのに最低でも 2 回ツールチェンジする必要がありました。さらに、穴加工では穴径に合ったドリルを使用するため、その分ツールチェンジする必要がありました。
そこで、すべての工程をたった 1 本で加工できる基板加工専用の刃物、「土佐昌典VC」、「土佐昌典FT」を独自開発しました。これにより、いちど加工をスタートさせれば、終わりまでノンストップで自動運転させることができるため、CNC であることのメリットを最大限に発揮することができます。
基板加工カッター 土佐昌典VC
先端が V字形状になっているため、加工深さを調整することで幅 0.15〜0.3mm の溝を加工できます。「土佐昌典FT」よりも細かいパターンの加工を行うことができます。基板加工アタッチメントと合わせて使用することで溝幅を均一に加工できます。
基板加工カッター 土佐昌典FT
先端がスクエア形状(Φ0.5mm)になっているため、加工深さが変わっても溝幅は変わりません。「土佐昌典VC」よりも溝幅が広くなる分半田付けがやりやすくなります。刃径 Φ0.5mm と小径ですが、基板加工アタッチメントと合わせて使用することで折れにくくなります。
「ORIMIN PCB」の詳しい仕様
基板加工アタッチメントには専用CAMソフトウェア「ORIMIN PCB (オリマイン ピーシービー)」が付属します。「ORIMIN PCB」は、ガーバーデータを NCプログラムに変換し、作成した NCプログラムを使用して基板を製作することができます。
基板加工の手順
仕様
対応データ
ランド形状
円形、長円、長方形(正方形含む)、多角形(EAGLEのみ)のみに対応しています。これ以外の形状には対応していません。
ライン形状
円タイプのラインのみに対応しています。角タイプのラインは円タイプのラインとして認識されます。
穴形状
穴形状は円形の穴にのみ対応しております。長穴や四角穴には対応しておりません。なお、長穴は外形線で形状を指定すれば加工できます。
CAD ごとの注意点
DesignSpark PCB
- 回転角度を 0、90、180、270 度以外に設定した長方形(正方形含む)には対応していません。
- 穴形状は円形の穴にのみ対応しております。
- 長穴や四角穴には対応しておりません。なお、長穴は外形線で形状を指定すれば加工できます。
EAGLE
- 回転角度を 0、90、180、270 度以外に設定した長方形(正方形含む)には対応していません。
KiCad
- 回転角度を 0、90、180、270 度以外に設定した長方形(正方形含む)には対応していません。
- ベタパターンには対応していません。
- ガーバーデータ出力後、ドリルデータを編集する必要があります。
K2CAD
- 円形、長円、長方形(正方形含む)以外のランド形状には対応していません。
- 角タイプのラインは円タイプのラインとして認識されます。
- ガーバーデータ出力後、ドリルデータを編集する必要があります。
出力される NCプログラムについて
設計ガイドライン
- 外形データはラインの端点同士を接続させ、閉じた図形となるようにしてください。閉じた図形でないと読み込まれません。
- 外形データは面積の一番大きい部分にタブを追加します。そのため、複数の基板を並べて設計した場合は片方の基板にはタブが追加されません。
- ベタパターンの変換には時間が掛かります。ベタパターンを使用する際はできるだけ太いラインを使い、ラインの数を減らしてください。
よくあるご質問
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