Maker's Guide / KitMill カーボンでつくる、究極の軽量マシン
本記事では、「KitMill」でカーボンパーツを切り出し、究極の軽量ドローンを製作する方法をご紹介します。
動画内(02:57)のテロップ内容に誤りがございました。
お詫び申し上げますとともに、以下の通り訂正させていただきます。
【誤】〜、確実に切り抜くために材料の厚みよりも2mmほど深く加工します。
【正】〜、確実に切り抜くために材料の厚みよりも0.2mmほど深く加工します。
今回の動画で使用したもの
- 機種 :KitMill CL200
- 刃物 :FRP向け超硬ルーター 快刀乱麻CNT
- 材料 :カーボンプレート(CFRP)T=2mm、捨て板(ベークライト製)
カーボンの加工に欠かせない、切りくず対策
カーボンの切削時に生じる切りくずや粉塵は人体にとって有害であり、飛散を抑えるための対策が必要です。今回は、手軽な切りくず対策ですぐカーボンの加工に挑戦できる、トレーに水を張った状態での加工方法をご紹介します。
オプション品の「集塵機作成キット」や「集塵ユニット」、「クーラントケース」等を使用することで、より安全にカーボンの加工を行うことができます。切りくず対策に有効なオプション品の詳細については、こちらをご参照ください。
1. トレーの固定
トレーの底面に両面テープを貼り、加工テーブルに固定します。
■ トレーはアルミや樹脂などの材質で、たわみの少ないものを使用すると、加工時に支障がありません。
1. 捨て板・材料の固定
今回の加工では、加工中にトレーに穴があかないよう、捨て板を使用します。両面テープを用いて、捨て板、材料の順番でトレーの中に貼り付けます。
■ 満遍なく両面テープを貼り付けることで、水を注いだ際に材料が剥がれにくくなります。
3. エンドミルの取り付け
「FRP向け超硬ルーター 快刀乱麻CNT」を取り付けます。
■ 快刀乱麻CNTは、切りくずをせん断する特殊刃形状により、FRPのバリや層間剥離の発生低減に効果があります。またねじれ刃エンドミルよりも折れにくく、長寿命な刃物のため、エンドミルの摩耗が激しいカーボンの加工におすすめです。
4. トレーへの注水
トレー内の材料が完全に浸るまで、水を注ぎます。
5. 加工
トレーに水を張った状態で、加工を開始します。
■ カーボンの輪郭加工では、確実に切り抜くために材料の厚みよりも0.2mmほど深く加工します。
6. 水の吸い出し・洗浄
6-1 | スポイトでトレー内の水を吸い出します。
■ 以降の作業は、必ず手袋を着用した上で行ってください。
■ 切りくずを含む排水が皮膚に付着した場合、擦ってしまうと非常に危険です。皮膚に付着してしまった場合には、石鹸を用い、流水で洗い流してください。
6-2 | 加工した材料に付着している切りくずや両面テープを洗い流します。洗い流す際には、バケツに溜めた水などを使用します。
■ 切りくずを含む排水は、フィルターで濾してから適切に処理します。直接水道に流さないように注意してください。
7. 仕上げ
7-1 | 材料から、パーツを切り離します。
7-2 | 耐水ペーパーやスポンジヤスリを使用して、バリ取りを行います。
■ 切削直後のカーボンの断面はささくれ立っており、直接手で触れてしまうと非常に危険です。必ずマスク・手袋を着用した上で、粉塵が舞わないように水に濡らした状態で作業を行ってください。
バリ取り後、パーツを組み上げたら完成です。
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