ロータリーエンコーダーの2相パルス信号を、CW/CCWパルス信号に変換するためのパルス変換IC。このICを使用することで、例えばロータリーエンコーダーの回転とステッピングモーターの回転を同期させることが可能になる。(動画参照)
IC本体に専用基板も付属したキット構成。(※)
※基板のみのご提供ですので、部品についてはお客様ご自身でご用意ください。
ピンアサイン表
本製品はPIC16F84Aを使用しています。ピンアサインについては以下を参照してください。
ピン番号 | ピン名 | IN/OUT | 信号名 | 備考 |
---|---|---|---|---|
17 | RA0 | OUT | CW- | CW/CCW信号出力端子 |
18 | RA1 | OUT | CCW- | |
1 | RA2 | OUT | STEP | STEP/DIR信号出力端子 |
2 | RA3 | OUT | DIR | |
6 | RB0 | IN | A相 | エンコーダー入力端子 |
7 | RB1 | IN | B相 | |
8 | RB2 | IN | CWリミット | リミット入力端子 |
9 | RB3 | IN | CCWリミット | |
10 | RB4 | IN | ML1 | 逓倍設定端子 |
11 | RB5 | IN | ML2 |
端子について
■ 逓倍設定端子
上記動画で使用したエンコーダーは分解能が1,000P/Rで、ステッピングモーターも同じく1,000P/R(ハーフステップ時)のため動きが一致します。
もし、エンコーダーとステッピングモーターの分解能がそれぞれ異なっていたとしても、逓倍機能により一致させることができます。
ピンアサイン中のRB4,RB5により、逓倍値を×1、×2、×4のどれかに設定できます。
例えば、100P/Rのエンコーダーと、200P/Rのステッピングモーターの動きを一致させるには、逓培を2に設定すればよいことになります。
(サーボモーターであれば、逓倍の設定は不要かもしれません。ほとんどのサーボドライバには電子ギヤの設定があるため)
■ エンコーダー入力端子
ラインドライバ出力のロータリーエンコーダーを使用する場合は、フォトカプラを介してRB0,RB1に接続してください。オープンコレクタ出力のロータリーエンコーダーであればフォトカプラは不要です。直接RB0,RB1に接続してください。
■ リミット入力端子
CWリミット(RB2)、CCWリミット(RB3)は、検出時に回転を止める役割をします。センサー使用の有無に関わらず、CWリミット・CCWリミットにはプルアップ抵抗を取り付けてください。
■ STEP/DIR信号出力端子
ステッピングモータードライバによっては、パルス入力方式がCW/CCWではなくSTEP/DIRの場合があります。その場合は、RA2,RA3に接続してください。CW/CCW信号、STEP/DIR信号のどちらを使用するか選択のための入力はありません。常に両方とも出力されています。
パルス変換方式について
2相パルスからCW/CCWのパルスに変換する最も簡単な方法として、A相がONのときB相がOFFであればCW、A相がONのときB相がONであればCCWとする、という方法が考えられます。
しかし、用途によってはこの方法でも問題ないものの、振動を繰り返すと必ずといっていいほど誤動作をします。
そこでこのICでは、2相パルスの状態を過去の状態と比較して、パルスが正常に変化した場合のみカウントするようにし、誤動作がないように工夫しています。
▲ 1逓倍のときの出力波形
※立ち上がりパルス幅は10us固定です。入力信号によってデューティー比が変化します。
▲ 4逓倍のときの出力波形
※立ち上がりパルス幅は10us固定です。入力信号によってデューティー比が変化します。
専用基板について
パルス変換ICを手軽にお使いいただけるよう、基板をご用意いたしました。
基板のみのご提供ですので、部品についてはお客様ご自身でご用意ください。

▲ 組み立て完成図
部品配置図
取付穴経 : Φ3.2
取付穴ピッチ : 51.36 × 28.85
使用部品
以下の部品を使用します。
VCC、GNDホールの間隔は5.08mmにしてあるため、ターミナルブロックを取り付けることができます。
不要な場合はケーブルを直接はんだづけしてご利用ください。
ピン番号 | 個数 | 実装コード | 備考 |
---|---|---|---|
2相パルス-CW/CCWパルス変換IC | 1 | IC1 | ICソケットを使用される場合は、PIC16F84A-20/Pで使用できるものをお使いください |
20MHzセラロック | 1 | XTAL | 2相パルス-CW/CCWパルス変換ICに付属しています |
2.54mmピッチ ピンヘッダ2 × 2 | 1 | JP4 | 2.54mmピッチ ピンヘッダ2 × 5などをカットしてご用意ください |
2.54mmピッチ ピンヘッダ2×3 | 1 | JP1 | 2.54mmピッチ ピンヘッダ2 × 5などをカットしてご用意ください |
2.54mmピッチ ピンヘッダ2 × 5 | 2 | JP2、JP3 | - |
ジャンパーピン | 2 | - | - |
三端子レギュレーター TA48M05F | 1 | IC2 | - |
電解コンデンサー 35V 33μF | 1 | C2 | - |
積層セラミックコンデンサー 0.1μF | 2 | C1、C3 | - |
集合抵抗 10kΩ | 1 | R7 | 5本足のもの |
抵抗 1/6W 470Ω | 2 | R5、R6 | - |
抵抗 1/6W 1kΩ | 5 | R1、R3、R4、R8、R9 | - |
抵抗 1/6W 10kΩ | 1 | R2 | - |
LED Φ3mm | 3 | D1、D2、D3 | - |
フォトカプラ TLP521-1 | 2 | OK1、OK2 | - |
回路図
ピンアサイン
入力電圧VCCは6~9Vの電圧でお使いください。
コネクタのピンアサインは以下の通りです。
CN番号 | PIN No. | IN/OUT | 信号名 | 備考 |
---|---|---|---|---|
JP1 | 1 | IN | CWリミット | センサ入力(リミット)端子 |
2 | IN | CCWリミット | ||
3 | - | +5V | ||
4 | - | +5V | ||
5 | - | GND | ||
6 | - | GND | ||
JP2 | 1 | - | +5V | CW/CCW、STEP/DIRパルス出力端子 |
2 | OUT | CW- | ||
3 | - | +5V | ||
4 | OUT | CCW- | ||
5 | - | +5V | ||
6 | OUT | STEP | ||
7 | - | +5V | ||
8 | OUT | DIR | ||
9 | - | - | ||
10 | - | - | ||
JP3 | 1 | IN | A相+ | エンコーダー入力端子 |
2 | IN | A相- | ||
3 | IN | B相+ | ||
4 | IN | B相- | ||
5 | - | +5V | ||
6 | IN | A相(オープンコレクタ出力の場合) | ||
7 | IN | B相(オープンコレクタ出力の場合) | ||
8 | - | GND | ||
9 | - | - | ||
10 | - | - | ||
JP4 | 1 | IN | ML2 | 逓倍設定端子 |
2 | - | GND | ||
3 | IN | ML1 | ||
4 | - | GND |
逓倍の設定は以下のようになります。隣のGNDピンとショートさせてお使いください。
逓倍 | ML2 | ML1 |
---|---|---|
×1 | オープン | オープン |
×2 | オープン | ショート |
×4 | ショート | オープン |
×1 | ショート | ショート |
よくあるご質問
処理可能な最高周波数はどの程度でしょうか。
25kHz未満です。
本製品は生産終了のため販売を終了いたしました。