2020.09.12
2020.09.12

【Fusion360】「KitMill」用NCプログラムの作成方法

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「Fusion360」には、本格的なCAM機能が搭載されていています。「Fusion360」で出力したNCデータは、当社デスクトップ型CNCフライス「KitMillシリーズ」でも使用することができます。ここでは「Fusion360」を用いた「KitMill」で使用できる2.5次元加工用NCプログラムと、3次元加工用NCプログラムの作成方法をご紹介します。

2.5次元加工と3次元加工の違い

■ 2.5次元加工
ロボットの部品制作や板材からの切り出など、輪郭の切り抜きや穴あけ、段差のある造形物の加工のことです。

■ 3次元加工
模型やルアー制作など、3次元曲面のある立体的な造形物の加工のことです。

※ご注意
この記事は紹介用に作成したものです。
Fusion360は当社で作成したものではないため、ソフトウェアのサポートやこの記事による不都合が生じても責任を負いかねます。
また、ソフトウェアの画面はバージョンアップ等で変更される場合があります。あらかじめご了承いただきますよう、お願いいたします。

用意するもの

  • Fusion360
  • KitMill用ポストプロセッサ

Fusion360のダウンロード

個人(非商用目的)、スタートアップ、教育関係者は無料で使用することができます。詳しくはこちらをご確認ください。

KitMill用ポストプロセッサのダウンロード

Fusion360のポストプロセッサであるCPSファイルを保存します。下記リンクを開き、「Download」をクリックしてダウンロードします。

ファイルの保存先は任意ですが、ここでは例としてカスタムポストのフォルダに保存します。コンフィグフォルダの項目の[設定]をクリックし[カスタム ポスト ライブラリを使用]を選択します。ここで表示されたアドレスをコピーしフォルダを開きます。このフォルダにダウンロードした「originalmind.cps」を移動させます。

2.5次元加工の場合

Fusion360の起動

Fusion360を起動します。

モデルの作成または、アップロード

目的のモデルを作成するか、3Dデータをアップロードして読み込みます。
2.5D加工の説明では加工サンプルの歯車をFusion360で作成したものとして説明します。

作業スペースの変更

モデルが用意できたら、ツールパスを作成する作業スペースに変更します。
画面右上の作業スペースの変更より「デザイン」から「製造」に切り替えます。

「製造」の作業スペースに切り替えるとツールパスを作成するためのツールバーに切り替わります。
モデルの修正が後から必要になった場合は、「デザイン」の作業スペースに切り替えて修正を行います。

セットアップの作成

加工する元の素材の寸法を指定するためにFusion360では「セットアップ」を使用します。
画面左上の「セットアップ」をクリックします。

クリックすると下記のようにモデルを取り囲む黄色いボックスとウィンドウが表示されます。
黄色いボックスで表示される範囲が元の材料の大きさになります。

表示されたウィンドウの「セットアップ」のタブでは、材料の原点等を設定します。
今回は下記の通りに設定します。

パラメーター 設定値 説明
操作タイプミーリング(初期値)加工機械のタイプを設定します。
KitMillで加工するためミーリングを指定します。
方向モデルの向き(初期値)XYZ軸の方向を指定します。
材料に対して上方向がZ軸になるように指定します。
原点ストック ボックス点(初期値)加工原点の位置の指定タイプを選択できます。
ストック点ボックス点(初期値)加工原点の位置ボックス点より指定できます。
初期値でストック(材料)の中心が選択されています。
モデルボディツールパスを作成したいボディを指定します。
ボディが1つの場合はすでに選択されています。

「ストック」タブに移動します。
この項目では材料の寸法を指定できます。
今回の説明では100mm × 100mm × 5mmの材料を想定して設定します。
各パラメーターを下記の表の通りに入力します。

設定が完了したら「OK」をクリックします。
以上で材料の指定が完了です。

パラメーター 設定値 説明
モード固定サイズストック材料のサイズのタイプを指定できます。
材料の指定があるので固定サイズストックを使用します。
幅(X)100mm材料のX軸方向の長さを指定できます。
モデル位置中心X軸方向のオフセット位置を設定できます。
今回は材料の中心に設定します。
深さ(Y)100mm材料のY軸方向の長さを指定できます。
モデル位置中心Y軸方向のオフセット位置を設定できます。
今回は材料の中心に設定します。
高さ(Z)5mm材料のZ軸方向の厚みを指定できます。
モデル位置中心Z軸方向のオフセット位置を設定できます。
モデルと材料の厚みが同じなので中心に設定します。
切上げ10mm(初期値)モデルの外形から指定した数値に均等な厚みの材料に指定できます。
今回は材料のサイズを直接指定したため設定不要です。

厚みのある材料から削り出す場合

今回の説明ではモデルの厚みと材料の厚みが同じのため、Z軸の「モデル位置」を「中心」に指定してあります。
厚みのある材料から削り出す場合は「モデルの位置」の指定を「ボトム(-Z)からのオフセット」に設定し、新しく表示された「オフセット」の数値を「0mm」にします。

使用するエンドミルの登録

次に使用するエンドミルを登録します。
今回の加工ではOM-SE2SM-2-6を使用します。
管理から「工具ライブラリ」をクリックします。

工具ライブラリのウィンドウが表示されます。
ウィンドウの右上の「+」のボタンをクリックして新規工具を作成します。

新規工具のウィンドウが表示されます。
追加したい工具の形状が一覧で表示されます。
「OM-SE2SM-2-6」では「フラットエンドミル」のボタンをクリックして次に進みます。

「全般」タブの「詳細」には追加する工具の名称「OM-SE2SM-2-6」を入力します。

「刃物」タブに移動します。
ここではエンドミルの形状に関するパラメーターを設定します。
使用する工具(OM-SE2SM-2-6)の仕様を確認しつつ下記の表のとおりに設定します。

パラメーター設定値パラメーターの説明
軸径4mmシャンク径を入力します。
直径2mmエンドミルの刃径を入力します。
刃長6mmエンドミルの刃長を入力します。
首下長6.5mmエンドミルの有効長を入力します。
ボディ長さ20mmエンドミルの突き出し量を入力します。
全長40mmエンドミルの全長を入力します。

「軸」タブに移動します。
ここではエンドミルのテーパーになっている形状を設定できます。
こちらの項目はお好みで設定してください。
「+」のボタンを押しパラメーターを指定できます。

パラメーター設定値パラメーターの説明
高さ4テーパー部分の長さを設定できます。
上側直径4テーパー上側の直径を設定できます。
下側直径2テーパー下側の直径を設定できます。

「ホルダー」タブでは使用している加工機のホルダー(スピンドル)の先端形状を設定できます。
ホルダーを設定することで、ホルダーと材料、固定具との接触をシミュレーションで確認できます。
今回はこの機能を使用しませんので、設定はスキップします。

「切削データ」のタブに移動します。
この項目では加工条件のパラメーターを設定します。
KitMillで主に使用する項目は下記の通りです。

パラメーターパラメーターの説明
切削送り速度XY軸方向へ切り込む際の送り速度を指定します。
進入送り速度加工箇所へ進入する際の送り速度を指定します
退出送り速度退避動作の際の送り速度を指定します。
ランプ送り速度ランプ動作の際の送り速度を指定します。
切込み送り速度Z軸方向へ切り込む際の速度を指定します。

材料がA2017の場合の加工条件は下記の表を参考にしてください。

機種名切削送り速度進入送り速度退出送り速度ランプ送り速度切込み送り速度
BT100/2003006012006060
CL10030060120010060
CL200/42030060120010060
RZ300/42045060120010060
AST2004501001200150100

※機種や材料ごと加工条件が異なりますので、各製品の加工サンプルや推奨の切削条件の目安をご確認ください。

上記のパラメーターが設定完了後、ウィンドウの右下の「承認」をクリックします。

工具ライブラリに設定したエンドミルが登録されました。
以上で工具の追加は完了です。
工具ライブラリウィンドウの右下の「閉じる」をクリックして閉じます。

ポケット加工の設定

歯車の中央の肉抜き部分のポケットを加工します。
2Dデータの場合は2Dより「2Dポケット」はたは「2D負荷制御」を使用します。
今回の説明では「2Dポケット」を使用します。

「2Dポケット」をクリックすると、画面右側にウィンドウが表示されます。
表示されたウィンドウのパラメーターを調整しツールパスを設定してきます。
最初に「工具」のタブのパラメーターを設定します。
「工具」の項目の「選択...」をクリックします。

工具ライブラリが表示されますので、先ほど登録した「OM-SE2SM-2-6」を選択してウィンドウ右下の「選択」をクリックします。

工具を選択すると「送りと速度」のパラメーターが工具で設定したパラメーターに置き換わります。
エンドミルの登録時に設定したパラメーターから加工動作ごとに変更したい場合は、こちらからパラメーターを修正します。
全ての設定値を一括で変更したい場合には工具ライブラリから登録したエンドミルのパラメーターを修正します。

「図形」のタブを選択します。
「図形」の項目では加工の範囲や取残し加工の設定できます。
今回の説明では加工するポケットのみ設定します。
加工したいポケットの底面の輪郭をクリックします。
すると選択したポケットが青い範囲で表示されます。

「高さ」のタブに移動します。
「高さ」の項目では移動や退避の高さ、加工深さを設定できます。

パラメーター設定値1設定値2説明
移動高さストック トップ1mmホームポジションから最初に移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。
退避高さストック トップ1mm次のツールパスに移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。
トップ高さストック トップ0mm切削を始める最上部の高さを設定できます。
ストックトップ=材料上面
ボトム高さ選択された輪郭0mm最終加工深さの設定ができます。
選択された輪郭と同じ高さまで加工されます。

「パス」のタブに移動します。
「パス」の項目では切削に関する細かなパラメーターを設定できます。
今回の説明では下記の通りに設定します。

パラメーター設定値説明
公差0.001mm曲面の粗さを設定できます。
曲面が微小直線で加工されるので細かい数値にします。
横方向の補正左(ダウンカット)エンドミルの進行方向を指定できます。
最大切削ピッチ1.5mmXY軸方向の切削ピッチを設定できます。

Z軸方向の切込み深さを指定するため「複数深さ」にチェックを入れ、下記の通り設定します。

パラメーター設定値説明
最大粗取り切込みピッチ0.1mm
※機種にあわせて設定
Z軸方向へ1回で切り込む切削ピッチを設定できます。
使用する機種にあわせて設定してください。
仕上げ切込みピッチ0加工時間が延びるため今回は仕上げ加工用の設定はしません。
仕上げ切込みピッチ0.2mm(初期値)仕上げ切込みピッチを設定していないため、ツールパスに反映されません。

材料がA2017の場合の最大粗取り切込みピッチは下記の表を参考にしてください。

機種名最大粗取り切込みピッチ
BT100/2000.05mm
CL1000.1mm
CL200/4200.2mm
RZ300/4200.3mm
AST2000.5mm

「リンク」のタブに移動します。
「リンク」の項目では退避動作を設定します。

パラメーター設定値説明
高速送りモード早送り動作を保持退避時の高速送り速度を設定できます。
早送り退避を許可ONG00の高速送り動作を使用します。
セーフ距離0.5mm退避動作の工具とパーツの距離を設定できます。
「最大粗取り切込みピッチ」以上の数値にします。
退避動作の時間が長くなるので小さい値に設定します。
退避動作無効最大距離50mm退避動作を無効にする最大の距離を設定できます。
リフト高さ0mm加工時間が増えるので0mmに設定しています。

「進入動作」の項目では進入動作の距離を指定できます。
初期値のままで構いません。

パラメーター設定値
水平進入半径0.2mm
進入内角度90deg
直線進入距離0.2mm
垂直進入半径0.2mm

「ランプ」の項目では進入動作のタイプを設定できます。

パラメーター設定値説明
ランプタイプらせん工具のZ軸へ切り込む降下方法を設定できます。
ランプ角度(度)5degらせんの進入角を設定できます。
ランプ角度が小さいほどランプ動作の距離が長くなります。
最大ランプ切込みピッチ6mm(初期値)ランプ進入動作の最大切込み深さを設定できます。
ランプ除去高さ0.5mm材料に切り込む際の退避距離高さを設定できます。
退避動作の時間が長くなるので小さい値に設定します。

上記の設定完了後ウィンドウ下の「OK」をクリックすることで、ツールパスの計算が始まります。

ツールパスの計算が完了し、作成したツールパスを選択すると生成されたツールパスが表示されます。
正常にツールパスが生成できたら、内側の輪郭加工のツールパス作成が完了です。

内側の輪郭加工のツールパスの作成

歯車の中央の穴と肉抜き部分の輪郭を加工します。
2Dデータの場合は2Dより「2D輪郭」を使用します。

「2D輪郭」をクリックすると、画面右側にウィンドウが表示されます。
「ポケット除去」と同じように表示されたウィンドウのパラメーターを調整しツールパスを設定してきます。
最初に「工具」のタブのパラメーターを設定します。
「工具」の項目の「選択...」をクリックします。
先ほどと同じように「OM-SE2SM-2-6」を選択します。
工具を選択すると「送りと速度」のパラメーターが工具で設定したパラメーターに置き換わります。
設定したパラメーターから変更する場合は、「2Dポケット」と同じように修正します。

「図形」のタブを選択します。
今回の説明では加工範囲とタブの設定をします。
まず加工する輪郭を選択します。
加工したい輪郭の底面の輪郭をクリックします。
すると選択したポケットが青い範囲で表示されます。

選択した輪郭の赤矢印の向きに加工されます。赤矢印が輪郭の外側になっている場合には赤矢印をクリックして赤矢印が内側になるように調整します。

「タブ」の設定をします。

  
パラメーター設定値説明
タブ形状四角形タブの形状を指定できます。
タブ幅2mmタブの幅をしていきます。
タブ高さ0.5mmタブの厚みを指定できます。
タブの位置決め点でタブの位置を距離と任意の位置の点に指定できます。
タブ位置クリックして指定「点で」を選択した場合には任意の場所にタブを指定できます。
今回は各輪郭ごとに2箇所にタブを設定します。

「高さ」のタブに移動します。
「高さ」の項目では移動や退避の高さ、加工深さを設定できます。

 
パラメーター設定値1設定値2説明
移動高さストック トップ1mmホームポジションから最初に移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。
退避高さストック トップ1mm次のツールパスに移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。
トップ高さ選択0mm切削の最上部の高さを設定できます。
「2Dポケット」加工後の高さから加工したいため、中央のポケットの底面を設定します。
選択した面が青く表示されます。
ボトム高さ選択された輪郭-0.1mm最終加工高さの設定ができます。
選択された輪郭と同じ高さまで加工されます。
今回は輪郭を確実に切り抜くために-0.1mmに設定します

「パス」のタブに移動します。
「パス」の項目では切削に関する細かなパラメーターを設定できます。
今回の説明では下記のパラメーターのみ設定します。

パラメーター設定値説明
公差0.001mm曲面の粗さを設定できます。
曲面が微小直線で加工されますのでなるべく細かい数値にします。
横方向の補正左(ダウンカット)次のツールパスに移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。

Z軸方向の切込み深さを指定するため「複数深さ」にチェックを入れ、下記の通り設定します。

パラメーター設定値説明
最大粗取り切込みピッチ0.1mm
※機種にあわせて設定
Z軸方向へ1回で切り込む切削ピッチを設定できます。
使用する機種にあわせて設定してください。
仕上げ切込みピッチ0工具のボトムを使った仕上げパスの数です。
今回は仕上げパスを使用しません。
仕上げ切込みピッチ0.1mm(初期値)仕上げパスを出力する場合の切込みピッチのサイズです。
仕上げ切込みピッチが設定されていないので使用されません。
壁テーパー角度(度)0deg(初期値)壁面のテーパー角度を指定することで傾斜状の形状を加工できます。
今回は使用しません。
入モード壁に沿って(初期値)テーパーのついた壁に沿って進入する方法を指定します。
今回はデフォルトのままで構いません。
アイランドを基準に順番ON複数の輪郭が存在する場合の切削深さの順番を指定します。
パス間の移動を少なくするためにONにします。

材料がA2017の場合の最大粗取り切込みピッチは下記の表を参考にしてください。

機種名最大粗取り切込みピッチ
BT100/2000.05mm
CL1000.1mm
CL200/4200.2mm
RZ300/4200.3mm
AST2000.5mm

「リンク」のタブに移動します。
「リンク」の項目では退避動作を設定します。

パラメーター設定値説明
高速送りモード早送り動作を保持退避時の高速送り速度を設定できます。
早送り退避を許可ONG00の高速送り動作を使用します。
セーフ距離0.5mm退避動作の工具とパーツの距離を設定できます。
「最大粗取り切込みピッチ」以上の数値にします。
工具退避動作無効OFF退避動作を無効にする距離を設定できます。
リフト高さ0mm加工時間が増えるので0mmに設定しています。

「進入動作」の項目では進入動作の距離を指定できます。

パラメーター設定値
水平進入半径0.2mm
進入内角度90deg
直線進入距離0.2mm
垂直進入半径0.2mm

上記の設定完了後ウィンドウ下の「OK」をクリックすることで、ツールパスの計算が始まります。

ツールパスの計算が完了し、作成したツールパスを選択すると生成されたツールパスが表示されます。
正常にツールパスが生成できたら、内側の輪郭加工のツールパス作成が完了です。

ボトム高さの設定を-0.1mmにしたためモデル底面より下にツールパスが生成されています。

外側の輪郭加工のツールパスの作成

内側の輪郭加工と同じように設定します。

ツールパスの計算が完了し、作成したツールパスを選択すると生成されたツールパスが表示されます。
正常にツールパスが生成できたら、外側の輪郭加工のツールパス作成が完了です。

ポスト処理

これまでにFusion360で作成したツールパスをKitMill(制御ソフトUSBCNC)に読み込める形式に出力します。
まず、画面右側に表示されている「2Dポケット」と「2D輪郭」で作成した3つのツールパスを選択します。
選択した状態でアクションより「ポスト処理」をクリックします。

「KitMill用のポストプロセッサのダウンロード」で導入したKitMill用のポストプロセッサ「KitMill series / originalmind」を選択します。
コンフィグフォルダの項目の[セットアップ]をクリックし[カスタムポストを使用]を選択すると、ポストコンフィグの項目の[...]より「KitMill series / originalmind」が選択できるようになります。
「エディタでNCファイルを開く(E)」のチェックを付けるとポスト処理が完了した後に、出力したツールパス(Gコード形式)を確認することができます。
設定が済んだら「OK」をクリックします。

加工プログラムの名称を入力します。名称入力後は「.cnc」拡張子が自動挿入されます。
出力前に必ず出力先のフォルダを確認してください。今回の説明ではデスクトップに保存します。
準備が整ったら「保存」をクリックしてツールパスを出力します。

KitMillに読み込み

KitMillの制御ソフトウェアのUSBCNCに出力した加工プログラムを読み込みます。
無事に読み込むことができれば完了です。

プログラムが長くなると「>LONG FIKE MODE<」と表示されツールパスが表示されなくなる場合があります。
動作範囲が青枠で囲まれ、加工経路が表示されなくなりますが問題なく動作できます。

3次元加工の場合

Fusion360の起動

Fusion360を起動します。

3Dデータの読み込み

今回の説明では3Dデータ(STL形式)を読み込んで使用します。
ファイルから「アップロード...」をクリックします。

アップロードのウィンドウが表示されるので、「ファイルを選択」か「ドラッグ アンド ドロップ」で読み込む3Dデータを選択します。
アップロードする場所を「位置」の項目から選択します。
上記2つを選択後「アップロード」をクリックすることで3Dデータのアップロードが開始されます。

アップロードが完了すると、前項目でアップロードする「位置」を選択したデータパネルに3Dデータが表示されます。
アップロードした3Dデータを開くとFusion360上で3Dデータを開くことができます。

3Dデータの縮尺調整

アップロードしたデータの縮尺が大きすぎる、小さすぎるという場合があります。

この場合は修正から「尺度」を使ってお好みのサイズに変更します。

縮尺が分かりづらい場合には「スケッチ」を使ってガイドとなる枠を引いておくと、目標の縮尺が分かりやすくなります。

作業スペースの変更

モデルの用意ができたら、ツールパスを作成する作業スペースに変更します。
画面右上の作業スペースの変更より「デザイン」から「製造」に切り替えます。

「製造」の作業スペースに切り替えるとツールパスを作成するためのツールバーに切り替わります。
モデルの修正が後から必要になった場合は、「デザイン」の作業スペースに切り替えて修正してください。

セットアップの作成

加工する元の素材の寸法を指定するためにFusion360では「セットアップ」を使用します。
画面左上の「セットアップ」をクリックします。

クリックすると下記のようにモデルを取り囲む黄色いボックスとウィンドウが表示されます。
黄色いボックスで表示されている範囲が元の材料の大きさになります。

パラメーター 設定値 説明
操作タイプミーリング(初期値)加工機械のタイプを設定します。
KitMillで加工するためミーリングを指定します。
方向モデルの向き(初期値)XYZ軸の方向を指定します。
材料に対して上方向がZ軸になるように指定します。
原点ストック ボックス点(初期値)加工原点の位置の指定タイプを選択できます。
ストック点ボックス点(材料左手前の上部)加工原点の位置ボックス点より指定できます。
今回の説明では材料の左手前の上部のボックス点を選択します。
モデルボディツールパスを作成したいボディを指定します。
ボディが1つの場合はすでに選択されています。

「ストック」タブに移動します。
この項目では材料の寸法を指定できます。
今回の説明では80mm × 80mm × 30mmの材料を想定して設定します。
各パラメーターを下記の表の通りに入力します。

設定が完了したら「OK」をクリックします。

パラメーター 設定値 説明
モード固定サイズストック材料のサイズのタイプを指定できます。
材料の指定があるので固定サイズストックを使用します。
幅(X)80mm材料のX軸方向の長さを指定できます。
モデル位置中心X軸方向のオフセット位置を設定できます。
今回は材料の中心に設定します。
深さ(Y)80mm材料のY軸方向の長さを指定できます。
モデル位置中心Y軸方向のオフセット位置を設定できます。
今回は材料の中心に設定します。
高さ(Z)30mm材料のZ軸方向の厚みを指定できます。
モデル位置中心Z軸方向のオフセット位置を設定できます。
モデルと材料の厚みが同じなので中心に設定します。
切上げ10mm(初期値)モデルの外形から指定した数値に均等な厚みの材料に指定できます。
今回は材料のサイズを直接指定したため設定不要です。

「OK」をクリックすると下記の画面に切替わります。
以上で材料の指定が完了しました。
今回の説明では材料の半分15mm程度まで加工する想定で説明していきます。

モデルの底面を材料の底面と揃えて加工したい場合

今回の説明では材料の中心にモデルを配置するため、Z軸の「モデル位置」を「中心」に指定してあります。
モデルの底面と材料の底面と揃えて加工したい場合(モデルの底面が平らな場合など)は、「モデルの位置」の指定を「ボトム(-Z)からのオフセット」に設定し、新しく表示された「オフセット」の数値を「0mm」にします。

使用するエンドミルの登録

次に使用するエンドミルを登録します。
今回の加工ではWXL-EBD-R 2×8×4を使用します。
管理から「工具ライブラリ」をクリックします。

工具ライブラリのウィンドウが表示されます。
ウィンドウの右上の「+」のボタンをクリックして新規工具を作成します。

新規工具のウィンドウが表示されます。
追加したい工具の形状が一覧で表示されます。
「WXL-EBD-R 2×8×4」では「ボールエンドミル」のボタンをクリックして次に進みます。

「全般」タブの「詳細」には追加する工具の名称「WXL-EBD-R 2×8×4」を入力します。

「刃物」タブに移動します。
ここではエンドミルの形状に関するパラメーターを設定します。
使用する工具(WXL-EBD-R 2×8×4)の仕様を確認しつつ下記の表のとおりに設定します。

パラメーター設定値パラメーターの説明
軸径4mmシャンク径を入力します。
直径4mmエンドミルの刃径を入力します。
刃長8mmエンドミルの刃長を入力します。
首下長12mmエンドミルの有効長を入力します。
ボディ長さ20mmエンドミルの突き出し量を入力します。
全長60mmエンドミルの全長を入力します。

「ホルダー」タブでは使用している加工機のホルダー(スピンドル)の先端形状を設定できます。
ホルダーを設定することで、ホルダーと材料、固定具との接触をシミュレーションで確認できます。
今回はこの機能を使用しませんので、設定はスキップします。

「切削データ」のタブに移動します。
この項目では加工条件のパラメーターを設定します。
KitMillで主に使用する項目は下記の通りです。

パラメーターパラメーターの説明
切削送り速度XY軸方向へ切り込む際の送り速度を指定します。
進入送り速度加工箇所へ進入する際の送り速度を指定します
退出送り速度退避動作の際の送り速度を指定します。
ランプ送り速度ランプ動作の際の送り速度を指定します。
切込み送り速度Z軸方向へ切り込む際の速度を指定します。

材料がケミカルウッドの場合の加工条件は下記の表を参考にしてください。

機種名切削送り速度進入送り速度退出送り速度ランプ送り速度切込み送り速度
BT100/200300100120010080
CL100300100120010080
CL200/4206001001200150100
RZ300/4206001001200150100
AST2006001001200150100

※機種や材料ごと加工条件が異なりますので、各製品の加工サンプルや推奨の切削条件の目安をご確認ください。

上記のパラメーターが設定完了後、ウィンドウの右下の「承認」をクリックします。

工具ライブラリに設定したエンドミルが登録されました。
以上で工具の追加は完了です。
工具ライブラリウィンドウの右下の「閉じる」をクリックして閉じます。

荒加工の設定

モデルに必要のない部分の荒加工をします。
3Dデータの場合は3Dより「ポケット除去」または「負荷制御」を使用します。
今回の説明では「ポケット除去」を使用します。

最初に「工具」のタブのパラメーターを設定します。
「工具」の項目の「選択...」をクリックします。

工具ライブラリが表示されますので、先ほど登録した「WXL-EBD-R 2×8×4」を選択してウィンドウ右下の「OK」をクリックします。

工具を選択すると「送りと速度」のパラメーターが工具で設定したパラメーターに置き換わります。
エンドミルの登録時に設定したパラメーターから加工動作ごとに変更したい場合は、こちらからパラメーターを修正します。
全ての設定値を一括で変更したい場合には工具ライブラリから登録したエンドミルのパラメーターを修正します。

「図形」のタブを選択します。
「図形」の項目では加工の範囲や取残し加工の設定できます。
今回の説明では加工の範囲のみ設定します。
「図形」の項目を下記の通りに設定します。

パラメーター設定値説明
加工の境界境界領域加工する範囲を設定できます。
工具制限境界工具中心境界加工の境界に対してエンドミルの位置を設定できます。
追加オフセット5mm工具制限境界からの追加オフセット分を設定できます。
モデルの外周から5mm余分に削りたいため5mmに設定します。

「高さ」のタブに移動します。
「高さ」の項目では移動や退避の高さ、加工深さを設定できます。

パラメーター設定値1設定値2説明
移動高さストック トップ1mmホームポジションから最初に移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。
退避高さストック トップ1mm次のツールパスに移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。
トップ高さストック トップ0mm切削を始める最上部の高さを設定できます。
ストックトップ=材料上面
ボトム高さストック トップ-18mm最終加工深さの設定ができます。
材料上面から-18mmの位置まで削りたいため-18mmに設定しています。

「パス」のタブに移動します。
「パス」の項目では切削に関する細かなパラメーターを設定できます。
今回の説明では下記の通りに設定します。

パラメーター設定値説明
公差0.01mm曲面の粗さを設定できます。
荒加工なので0.1mmに設定しています。
手動切削ピッチONボールエンドミルを使用する場合は設定します。
最大切削ピッチ1.5mmXY軸方向の切削ピッチを設定できます。
最小切削ピッチ0.15mm最大切削ピッチの1/10の値が自動挿入されます。
方向ダウンカット切削方向の設定ができます。
円滑化公差0.15mm最大切削ピッチの1/10の値が自動挿入されます。
最大粗取り切込みピッチ2mm
※機種にあわせて設定
Z軸方向の切削ピッチを設定できます。
使用する機種にあわせて設定してください。

材料がケミカルウッドの場合の最大粗取り切込みピッチは下記の表を参考にしてください。

機種名最大粗取り切込みピッチ
BT100/2000.5mm
CL1001mm
CL200/4201mm
RZ300/4202mm
AST2002mm

「仕上げ代」の項目では仕上げ加工用に残しておく幅を設定できます。
今回は仕上げ代を0.5mmに設定します。

パラメーター設定値説明
径方向の仕上げ代0.5mmXY軸方向の仕上げ代を設定できます。
軸方向の仕上げ代0.5mmZ軸方向の仕上げ代を設定できます。

「リンク」のタブに移動します。
「リンク」の項目では退避動作を設定します。

パラメーター設定値説明
退避方法完全退避パス間の退避動作を設定できます。
高速送りモード早送り動作を保持退避時の高速送り速度を設定できます。
早送り退避を許可ONG00の高速送り動作を使用します。
セーフ距離0.3mm退避動作の工具とパーツの距離を設定できます。
「最大粗取り切込みピッチ」以上の数値にします。
退避動作の時間が長くなるので小さい値に設定します。
退避動作無効最大距離20mm(初期値)退避動作を無効にする最大の距離を設定できます。
リフト高さ0mm加工時間が増えるので0mmに設定しています。

「進入動作」の項目では進入動作の距離を指定できます。
初期値のままで構いません。

パラメーター設定値
水平進入半径0.4mm
垂直進入半径0.4mm
水平退出半径0.4mm
垂直退出半径0.4mm

「ランプ」の項目では進入動作のタイプを設定できます。

パラメーター設定値説明
ランプタイプらせん工具のZ軸へ切り込む降下方法を設定できます。
ランプ角度(度)10degらせんの進入角を設定できます。
ランプ角度が小さいほどランプ動作の距離が長くなります。
最大ランプ切込みピッチ8mm(初期値)ランプ進入動作の最大切込み深さを設定できます。
ランプ除去高さ0.5mm材料に切り込む際の退避距離高さを設定できます。

上記の設定完了後ウィンドウ下の「OK」をクリックすることで、ツールパスの計算が始まります。

ツールパスの計算が完了し、作成したツールパスを選択すると生成されたツールパスが表示されます。
生成されたツールパスの左側に警告マークが出ていますが、「退避動作を大きく取れ」との警告なので今回は無視して大丈夫です。
以上で荒加工のツールパスの作成は完了です。

仕上げ加工の設定

荒加工されたモデルの表面をきれいに整える仕上げ用のツールパスを作成します。
今回は「スキャロップ」を使って仕上げ加工を行います。

「スキャロップ」をクリックすると、画面右側にウィンドウが表示されます。
前項目と同じように表示されたウィンドウのパラメーターを調整しツールパスを設定してきます。
最初に「工具」のタブのパラメーターを設定します。
前の工程で「WXL-EBD-R 2×8×4」を選択しているので、すでに「WXL-EBD-R 2×8×4」が選択されています。
設定したパラメーターから変更する場合は、「ポケット除去」と同じように修正します。

「図形」のタブを選択します。
今回はモデルの周囲のみを仕上げたいので加工境界を設定します。
「図形」の項目を下記の通りに設定します。

  
パラメーター設定値説明
加工の境界シルエット加工範囲を設定できます。
工具制限境界工具中心境界加工の境界に対してエンドミルの位置を設定できます。
追加オフセット5mm工具制限境界からの追加オフセット分を設定できます。
接点境界OFFボールエンドミルの接触する位置を設定できます。
接触のみONボールエンドミルに接触する部分のみを加工することができます。
境界を使用する加工領域ON上記の制限を有効にするためONにします。
境界オーバーラップ0.4mm(初期値)「境界を使用する加工領域」をONにすると自動挿入されます

「高さ」のタブに移動します。
「ポケット除去」と同じように設定します。
「ボトム高さ」のみ数値を調整して「ポケット除去」で取り除いた高さより少し切りこむ程度に設定します。

パラメーター設定値1設定値2備考
移動高さストック トップ1mmホームポジションから最初に移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。
退避高さストック トップ1mm次のツールパスに移動する高さを設定できます。
移動時間を短縮するために小さい数値に設定しています。
トップ高さストック トップ0mm切削を始める最上部の高さを設定できます。
ストックトップ=材料上面
ボトム高さストック トップ-17.5mm最終加工深さの設定ができます。
荒加工で加工した-18mmより少なめの17.5mmに設定します。

「パス」のタブに移動します。
今回の説明では下記の通りに設定します。

パラメーター設定値説明
公差0.001mm曲面の粗さを設定できます。仕上げ加工なので細かい数値に設定しています。
※このパラメーターが粗いと仕上がりがカクカクになります。
内側→外側へリンクOFFONにすると内側から加工されるパスを生成します。
内側 / 外側方向無視最小限のパスにするため無視に設定します。
切削ピッチ回数制限OFF切削ピッチの回数を制限できます。
切削ピッチ0.1mmツールパス間の切削ピッチ距離を設定できます。
細かく仕上げたいため0.1mmに設定します。
方向両方向ダウンカット/アップカットを指定できます。
切上げ / 切下げ加工無視特定の刃物で一方向のみにしか対応しない場合に設定します。

「リンク」のタブに移動します。
今回の説明では下記の通りに設定します。

パラメーター設定値説明
退避方法完全退避パス間の退避動作を設定できます。
高速送りモード早送り動作を保持退避時の高速送り速度を設定できます。
早送り退避を許可ONG00の高速送り動作を使用します。
セーフ距離2mm退避動作中の工具とパーツの距離を設定できます。
「最大粗取り切込みピッチ」以上の数値にします。
退避動作無効最大距離8mm(初期値)退避動作を無効にする最大の距離を設定できます。

「進入動作」の項目では進入動作の距離を指定できます。初期値のままで構いません。

パラメーター設定値
水平進入半径0.4mm
垂直進入半径0.4mm
水平退出半径0.4mm
垂直退出半径0.4mm
移動タイプスムーズ

上記の設定完了後ウィンドウ下の「OK」をクリックすることで、ツールパスの計算が始まります。

ツールパスの計算が完了し、作成したツールパスを選択すると生成されたツールパスが表示されます。
細かいツールパスがモデルを覆うようなツールパスが生成されれば成功です。
以上で仕上げ加工のツールパスの作成は完了です。

ポスト処理

これまでにFusion360で作成したツールパスをKitMill(制御ソフトUSBCNC)に読み込める形式に出力します。
まず、画面右側に表示されている「ポケット除去」と「スキャロップ」で作成した2つのツールパスを選択します。
選択した状態でアクションより「ポスト処理」をクリックします。

「KitMill用のポストプロセッサのダウンロード」で導入したKitMill用のポストプロセッサ「KitMill series / originalmind」を選択します。
コンフィグフォルダの項目の[セットアップ]をクリックし[カスタムポストを使用]を選択すると、ポストコンフィグの項目の[...]より「KitMill series / originalmind」が選択できるようになります。
「エディタでNCファイルを開く(E)」のチェックを付けるとポスト処理が完了した後に、出力したツールパス(Gコード形式)を確認することができます。
設定が済んだら「OK」をクリックします。

加工プログラムの名称を入力します。名称入力後は「.cnc」拡張子が自動挿入されます。
出力前に必ず出力先のフォルダを確認してください。今回の説明ではデスクトップに保存します。
準備が整ったら「保存」をクリックしてツールパスを出力します。

KitMillに読み込み

KitMillの制御ソフトウェアのUSBCNCに出力した加工プログラムを読み込みます。
無事に読み込むことができれば完了です。
今回の3Dの仕上げ加工のようにプログラムが長くなると「>LONG FIKE MODE<」と表示されツールパスが表示されなくなる場合があります。
動作範囲が青枠で囲まれ、加工経路が表示されなくなりますが問題なく動作できます。

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