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最高時速約70km、スピードが出すぎる自転車!!

2017年03月15日

ものづくり文化展2016にて、作品「Super CHARI(超自転車)のエネルギーユニット」で「倉田光吾郎賞」を受賞された、usernameさんに作品について取材をさせていただいた。

この作品はフライホイールのエネルギーユニットをつけることで、ペダルを漕いだエネルギーを保存&増加させて超加速できる自転車である。個人の作品はどうしてもコストや環境上、小さなものが多いかと思う。usernameさんはそんな中で「乗り物」という大きなものづくりに挑戦しているということがとても面白い。取材の際には 「乗り物が好き。それは自分も体感できるし、他の人が見ても、乗り物ならば乗って見たいとか乗ったらどうなるんだろうということを思ってもらえるから。」と話してくれた。乗り物をつくっている時はワクワクドキドキするという。

今回のSuper CHARIの製作は、某サイトの質問掲示板でとあるQ&Aを見かけたことがきっかけだったという。

Q:フライホイールを自転車に積んだら早く走れるんじゃないか?
A:そんなナンセンスなことをしても意味がない。

これを見たusernameさんはこの質問者の疑問に対して、このアンサーされた方とは真逆の考え方をした。「確かに、フライホイールをつけたらどうなるんだろう...??よし、つくってみよう!」と思ったのだという。
一方で「そんなナンセンスなことしても意味がない」と考える人がいれば、usernameさんのように「つくっちゃおう!」と考える人もいるのだ。このusernameさんの「つくっちゃおう精神」はそう簡単に抱けるものではない、「つくっても公道を走れないよな??」「そもそも軽量化を目指している自転車に重い部品をつけることって意味あるのか??」など「つくらない理由」が脳裏をかすめるのが一般的な人情だからだ。そうした、つくらない理由を見事にはねのけて、作品を実際につくってしまったことにusernameさんのものづくりに対する遊び心、童心が伺える。作品ももちろん素晴らしいが、それ以前にそのメンタリティが今回の大きな受賞理由の一つでもある。

また、usernameさんはその作品の製作過程も含めて、どんなことに苦労したのか、何がたのしかったのかなどご自身のサイトや、当社の運営するメカトロライフのページに公開されている。そうした「製作過程をも楽しみ共有する」といったスタンスに引き寄せられて作品ページのコメント蘭では他のつくり手の方々と豊かな意見交換がなされているのも印象的だ。ものづくり文化の中に脈々と流れている「つくること自体が楽しいのだ」というピュアなメンタリティをusernameさんは持っているのだろう。

今作のSuper CHARIだが、当然その「予想外すぎる改造」ゆえに公道での乗車などは禁止されている。その主な理由には「スピードが出すぎる」ということが上げられる。このSuper CHARI、usernameさんの測定ではなんと最高時速70kmを記録したという。もはや自転車の速度ではない...。フライホイールにペダルを漕いだエネルギーを保存し、クラッチ操作によってそのエネルギーを後輪の回転力に転換する。たとえば、電動アシスト自転車などに比べて、漕ぎ出しはやや重いものの、ある程度スピードに乗ってしまえばガンガン漕いでいける。そして、加速したいときにクラッチを入れたり外したりしながら高速走行をすることができる自転車だ。

また、当社としてとても嬉しく思ったのが、usernameさんが作品製作に、メカトロニクス中古品を活用していただけていることである。メカトロニクス中古品の活用にはその使用用途を見出す豊かな想像力と個人のものづくりに工業用レベルの部品を使用するアドベンチャー精神が必要だからだ。このSuper CHARIにも工業用のハイトルクなモーター(しかも内部のコイルを巻き足すなどのカスタマイズまでご自身でされている)、フライホイールなど複数のメカトロニクス中古品が活用されている。

こうしたusernameさんのようなものづくりには「夢」と「可能性」がつまっている。ともかく作ってしまおう!とつべこべ考えぬ好奇心で想像力を形にしてしまうことで、思わぬ革新的な技術やコンセプトを持った次世代の製品の原型が生まれ得るからだ。今回の作品ももちろんそうであるし、他の作品もそうであるが、usernameさんの作品の着眼点に対して、たとえば共同開発を提案してくる企業などが現れたりするとその作品の持つ可能性はさらにグンと広がることになる。

usernameさんの他の作品についてはメカトロライフの作品ページからも見ることができる。「ものづくりとはなんであるか」その根源的な答えがusernammeさんの作品とそのつくり手としてのスタンスに見出すことができるだろう。このusernameさんが持つ「つくっちゃおうよ精神」は、あらゆる「つくらない理由・できない理由」をはねのける魔法のようなスタンスだ。そのusernameさんの童心に勇気付けられて作品を生み出すつくり手がもっともっと増えていってほしい。そして、何よりもusernameさんが今後どのような作品を生み出していくのか。当社としても期待を膨まさずにはいられない。

作品ページ

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