今回、倉田光吾郎賞はSuper CHARI(超自転車)のエネルギーユニットを選出させていただきました。私の趣向としまして、乗り物や道具など、作品そのものの魅力に加えて、使ったり乗ったりとその後のストーリーが見えてくるようなモノ作りが大好きです。今回もそんな観点から、作品群を眺めていて、目に留まったのがこの作品でした。

見た瞬間に、”電動アシスト自転車とかあるご時世に、なぜこれを作った！？”と。フライホイールつけたら、超早くね？って思いついちゃったんだろうな・・・普通は、次の日あたりに”これで公道走ったら怒られるよなぁ”とか気づいて作らないと思うんだけど、作った事を大いに評価しました。思いついたら、まずはゴチャゴチャ考えずに作るのがいいんです。結果、この作品はご自身の解説通りに、私有地でしか乗れないという、一般にはムダっぽいモノに仕上がっていますが、制作の過程でのワクワク感や楽しさは半端なかったんじゃないかなと。

この作品にはそんな空気を感じました。これは、オレが選ばないでどうする！という事で、堂々の受賞です。

このたびは倉田光吾郎賞の受賞を受けまして、大変嬉しく思うのと同時にとても驚きました！この作品は審査員の倉田様がおっしゃる様に、「公道で走ったら怒られるなぁ」と製作前に思いました。ですが「私有地だけでもいい！乗って体感したいんだ！」という気持ちが勝ったことで具現化した乗り物です。

フライホイールは自動車に使われる物を用意しました。製作過程は手作業での加工が多く時間を使いましたが、最後はとてもカッコ良い乗り物になりました。製作も初めて扱う機械部品に胸躍らされましたし、フライホイールの試運転は超怖かったです（笑）。用途の限られる作品ですがご評価くださり大変感謝しています。