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クリエイターたち ~活用事例~

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筋金入りのメカフェチ設計者が作り出した究極的な造形に圧巻!!

2017年03月10日

ものづくり文化展2016にて、作品「1/4 YAMAHA YZR-M1 エンジン」で「明和電機賞」「AUTODESK賞」とW受賞された、木川暁仁さんに作品について取材をさせていただいた。

この作品は実際に存在するYAMAHA YZR-M1というレース用バイクのエンジンを1/4スケールで再現した模型作品である。木川さんは前回のものづくり文化展2015でも優秀賞に輝いたのだが、その際にご応募いただいた作品も1/12エンツォフェラーリ+RB26と言う模型作品であった。前回と今回の作品の共通点は「中身に対する愛情」である。

取材の際にも「エンジン部から外側のボディーまでをつくるとしたらおそらくやる気が続かない(笑)。僕はメカ部分=本体が好きなんです。」とおっしゃっていた。そう、木川さんにとって造形に喜びを感じるのはボディーではなく「中身の本体」なのである。本体の中身、ではない。中身こそが本体、そういう考え方の方なのだ。さすが本職もメカ設計者だけのことはある。市販のプラモデルがそうであるように一般的な認識では、木川さんのそれとは逆で、ボディーなど目に見える外観を指して本体と呼ぶことが多い。その場合、エンジンなどの実可動部位は申し訳程度に付属してくる考えになる。木川さんはそのまったく逆の考え方の持ち主なのである。

今回の取材でも木川さんは「YZR-M1のエンジンは現状日本最高峰のメカだと思った。だからこそ、その内部機構にすごく興味があり、それを知りたいと思った。」と製作動機を語ってくれた。その「中身」に対する一貫した深い興味と愛情っぷりが今年もとんでもない造形作品をつくりだしてしまった。

まず驚くのがその造形技術だ。この見事な造形作品はすべて3軸のCNC加工(KitMill RD300)でつくられている。まったくもって圧巻である。加工精度を考えて3Dプリンタは選択肢に入れず、切削加工で造形したのだという。これほどまでに複雑な形だ。正確な工程順序を踏んでかなければ造形することは難しいであろう。当社のKitMillでここまでの造形を作り出してしまうつくり手は、そう多くはないであろう。正直、KitMillの生みの親である当社の社長をはじめ、開発部の社員も「うわぁ、こりゃすげぇ...」と思わされた。

ふと、今回の木川さんの作品を見て、一つ不思議な点にお気付きの方はいるだろうか...??YZR-M1はYAMAHAバイクの中でも名車として有名なものである。その心臓部とも言えるエンジンだ。詳細な寸法など公式で情報が出ているはずもない...。ではなぜ、木川さんはそのYZR-M1のエンジンを1/4スケールでほぼ完璧と言っていいほどまでに再現できたのであろうか???

驚くことに外観寸法は「実機を入念に観察した目見当」でつくられおり、さらに驚愕させられるのはその内部に関しては、YAMAHAで正式に公表されている排気量と最高回転数からピストンスピードを考察、そこからストロークを計算、ストロークからボアを計算...といったとんでもない方法で寸法を「推測で」割り出している。当然のことながら、市販のプラモデルなどは今回の作品のようなものの参考資料にはならない。なぜなら市販のプラモデルは中身まで作られていないことがほとんどだからだ。もうこれだけ聞けば、木川さんがどれだけメカフェチで、いかにそのエンジニアとしての実力がとんでもないものなのかおわかりいただけるであろう。

また、メカトロライフの作品ページでは、「さすが世界で戦うレーシングマシン、すべての部分にて無駄が無く、計算が間違っているとたちどころにつじつまが合わなくなり苦労しましたが、本物を設計したエンジニアの葛藤をほんのわずかながらでも追体験できるという幸せな瞬間でした。」と語られている。そのメカへの愛情を超えて、それを設計された方の苦労を追体験できることへの喜びまでも幸せに感じられているのだ。木川さんの実力のみならず、人間性の深さまで伺える。面白いのは、作品をつくる動機が「造形欲求」ではなくて「知的欲求」であることだ。このエンジンのことをもっと知りたい!そんな思いが今作品の創作動機になっている。実際に取材でお話を聞いていても、なんとも気さくで、まるで子供のようにメカへの愛情を語る方であった。メカが大好きで大好きで仕方がない。そんな無邪気な雰囲気を持っていてまったく自分を飾らない、そんな人だ。

木川さんはこうした造形作品を作られてるひとつの思いとして「誰にでもわかりやすく、意味がわからないもの」をつくりたいと思ってきたという。「ある種の禍々しさを感じてくれたら嬉しい、やりすぎて不安になるような(笑)」とおっしゃっていた。たしかに、尋常な精神力や興味ではここまでの造形作品はつくれないだろうと思う。「いいから、もうわかったから!(笑)」鑑賞者がそう思ってしまうほどの「メカが大好きなんだ!!!」という思いが作品から伝わってくるのは事実だ。

最後に、取材中に木川さんが話してくれた面白いエピソードを一つお話ししよう。
YZR-M1エンジンの模型が完成した時に、とある設計者の知り合いに見せたら、すごく興味を持って見てくれていろいろ聞いきてくれたのだという、はじめは「おお褒めてくれてる」と思い、木川さんも喜んでいたが、その知り合いは褒めていたのではなく心配していたのだという。この知り合いの設計者は「どこからこのエンジンの設計データを入手したんだ!?大丈夫か!?」と木川さんに詰め寄っていたのだ。このエピソードはそれほどまでに、完璧な造形だということの証明であろう。

その設計寸法から内部機構までをも、排気量などから計算して割り出してしまう技術力と分析力。エンジンを設計されたエンジニアのしてきた苦労を追体験できることに喜びを見出せる木川さんの深く豊かな人間性、そして何よりもその圧倒的なまでのメカフェチ精神に深く感動させられた。これから木川さんがどのような作品を生み出していくのか、本当に楽しみである。

作品ページ

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