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クリエイターたち ~活用事例~

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「ただそこに存在している美しさ」メカとは思えないほどの有機的な揺らぎに魅せられる!!

2017年03月23日

ものづくり文化展2016にて作品「Luminescent Tentacles」で「Hajime Asaoka賞」を受賞された、Akira Nakayasuさん(以下Nakayasuさん)に作品について取材をさせていただいた。

この作品は鑑賞者がかざした手の動作に対して、音と動きと光で共鳴するイソギンチャクをモチーフにしたインタラクティブアート作品である。Nakayasuさんご自身が制作された作品のPVをご覧いただけるとわかるかと思うが、作品の光に意識を集中している間、地面に足を付けていながらも、なぜだか自分が浮遊しているかのような気持ちにさせられる作品だ。Nakayasuさんの取材を進めていく中で、とても興味深かったことはNakayasuさんが「とても思想的な方」であったということだ。その人間性を持ってして今回の作品がなぜ生み出されたのか不思議と合点が行く部分があった。

Nakayasuさんの思想性はこれまでのご自身の「何かを追い求め続けてきた自由な生き方」にも顕著に現れているように思えた。工業大学では機械設計を学び、卒業後はそのまま映画制作を学ぶ学校へ、卒業後はケーブルテレビのカメラマン、印刷業界などで仕事をしていた。映像の仕事をしている最中「自分の名前の作品がつくりたい」とふと思い始めるようになる。そんなことを考え始めていると、とある劇団に出会い、入ることになったという。

その劇団で活動していくうちに、メディアパフォーマンス(舞台にいる役者にインタラクティブな光や映像を投影する演出方法)で協力したいと思うようになり、それを学ぶために33歳で九州大学へ入学した。このころはフリーランスでwebや映像の仕事を行いながら、大学でメディアパフォーマンスを学びつつ劇団の舞台演出で協力していたという。そんな中で、大学にプログラマーがいたことからも「コンピューターの中で完結するものづくりの分野では勝てない」と思ったことをキッカケにメカを使ったアート作品をつくりはじめるようになったという。

語弊を恐れずにいうと「CGならなんでも出来るよね」という認識が映画などの影響もあり、一般認識になりつつある。だが、CGでなんでも出来るようになったのも、そう思われるようになってきているのもつい最近のことで、映画の歴史を見ればわかる通り、そんな簡単な道のりではなかったと思われる。メカも同じように、いずれ「メカならなんでも出来るよね」と言われる時代も来るのではないか。Nakayasuさんはそんなことを思っているという。こうした視点そのものにNakayasuさんの独自性を感じる。確かに、一昔前までは部品一つ加工するにも高価な設備や、大きな設備が必要であったため技術独占になりやすかったように思う。それに対して現代は、個人宅にもCNCをはじめあらゆる工作機械が導入しやすくなりメカトロニクス制作が格段にしやすくなってきているのは確かだ。そうした時代の後押しもあり、メカトロニクス工作は飛躍的な進化を今後遂げて、その可能性を大いに広げていくことだろう。

また、メカトロニクス作品の多くは「なんのために、どんなことをするもの」といった明確な使用目的が事前に定められて作られることが多いように思う。それはものづくり文化の中でもよく言われてきた「機能美」という言葉が示す通り、作品を作る場合に何かしらの機能を果たすこと、その機能に準じた形状であることがある種のゴール地点として考えられることが一般的だからだ。

だが、この「Luminescent Tentacles」のような作品は使用目的から逆算しても決して生まれ得ない作品だと思う。そもそも「この作品が何なのか」といったこと自体を鑑賞者に問いかけてくるものであるからだ。この点においても新たなものづくりの可能性を多分に孕んでいる。使用目的からでは生まれないであろうこの作品、では何を起点として生まれるものなのか...、おそらくは「思想」ではないだろうか。そうした取材陣の予想とは裏腹に、制作動機についてはNakayasuさんは取材中「たとえば草原とかが風になびくというのを、メカでつくったら面白いと思った。」とシンプルに言い抜けられていた。しかし、きっとこの言葉の何十倍も深い感性で制作に当たったことと思う。それはこの作品からゆったりと鑑賞者に語りかけるように漂ってくる情緒が物語っている。また、これについては「見る人がどう面白いと思ってくれるのかと、自分(制作者)が何を面白いと思ったのかは別ものですからね。」と付け加えて話してくれていた。

Nakayasuさんが映画やwebなどの非物質的なものを生み出す仕事をしてきた先で、インタラクティブアートの世界に来た理由を「パッと見てもすぐに真似できないのがモノの良さ」だと話してくれていた。その分、自分独自の作品がつくれるし、それがそのまま真似される可能性も低いためオリジナリティを持っていられる。今後あらゆるものの非物質化、デジタル化が進む時代において、それでも人は物質を超えられないのではないかというのがNakayasuさんの考えだ。その理由を尋ねると「人自体が物質だから」と明快に答えてくれた。常に本質的な「何か」を追い求め続けているNakayasuさんのこれまでの生き方があってこそ必然的に生まれた作品「Luminescent Tentacles」は、忙しない日常を生きる私たちの心にどこか余白を与えてくれる、そんな作品のように思う。

作品ページ

最高時速約70km、スピードが出すぎる自転車!! < クリエイターたち ~活用事例~トップ > ユニークな発想をすぐさま形に!!若きトンデモ発明家