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クリエイターたち ~活用事例~

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「買えないのなら自分で作ろう!」あの変形ロボットはその思いから始まった。

2016年08月23日

実際の人型二足歩行ロボットが自動変形してスポーツカーになって走り出す。そしてまた自動変形して人型二足歩行ロボットとなって歩き出す...。すでにアニメや実写版のCGではおなじみの変形ロボットの"世界初の実現化"ということで、テレビ番組でも紹介されたこのシーンに見覚えがある方も多いのでは?

※動画引用元:リアル巨大変形ロボット「J-deite」変形現場を目撃(MONOist)

変形シーンを見るだけでもワクワクが止まりません。何度でも見ちゃいます。
株式会社タカラトミー公認の下、アスラテック株式会社と株式会社BRAVE ROBOTICSの共同開発で誕生したこの変形ロボットの名前は、「J-deite Quarter(ジェイダイト・クォーター)」。クォーターとは「1/4スケールモデル」の意味で、本機の全長は1.3mです。各方面で既出の情報をまとめると、将来的にはオリジナルスケール(全長およそ5m)での実現化を目標に、現在は「実際に人間が乗って変形できる3.5mモデル」の開発に着手したところ...とのことです。

ジェイダイト・クォーターの製作にあたっては、当社の「KitMill RD420」や折り曲げ機「Bender Black 30」も活躍しているということで、今回、製作者の株式会社BRAVE ROBOTICS(ブレイブ・ロボティクス)の石田賢司様を訪ね、変形ロボットへの思いや、製作にまつわるエピソードをたっぷり伺ってまいりました。

工場(基地と呼ぶべきか?)に入ると、2機のロボットがお出迎え。青い機体がジェイダイト、黒い機体はオロチ。敵対する関係だそうですが、この日は一時休戦して取材に協力してくれました。

石田様は1982年生まれ。初めて出会ったロボットは、TVで見たサンライズ系ロボットアニメ「勇者シリーズ」。このシリーズに登場するロボットは、どれも車や飛行機から人型ロボットへの変形ギミックが共通の見せ所になっていて、石田様はとりわけ「勇者エクスカイザー」に心惹かれたと言います。

こちらがその「勇者エクスカイザー」。

背中にはメカニックデザイン界の巨匠、大河原邦男氏の直筆サインが!これは大河原氏の出身地である東京都稲城市が企画して定期開催している「メカデザイナーズサミット」の4回目(2016年3月開催)に石田様がゲストとして招かれ、そこで頂いたサインなのだそうです。

ところで、一般的にはアニメ作品に感化された場合、登場するロボットのプラモデルを作って飾ったり、劇中のグッズを収集してその世界観に浸ることで一定の満足を得ると思うのですが、石田様はずいぶん違いました。
「作品を見ているうちに、変形ロボットに乗りたい気持ちが大きくなっていきました。だったら買えば良いわけですけど...。でも、現実にはどこにも売っていないんですよね。じゃあ、勉強して自分で作ろうかなって」。ご本人は笑顔でサラッとそうおっしゃいますが、実際に全長1.3mの変形ロボットの製作はクリアしたわけですから、当時の思いの強さがうかがえます。進学先の大学ではロボット工学を専攻し、ロボット製作に明け暮れる毎日。そして、就職後も変形ロボット作りへの情熱は失せることがなかったそうです。常時、ロボットの肝となるモータやバッテリーの性能の動向にアンテナを張り、やがてある時期に「そろそろ人間が乗れるロボットが作れるのではないか」と判断。そして株式会社BRAVE ROBOTICSを立ち上げ、本格的に変形ロボットの製作に突入したのです。

もともと乗り物が好きな石田様ですが、乗り心地とか静寂性など、受け止め方に個人差が出る乗り物ではなく、目に見える指標があるとか何かしらの目的を持つ乗り物に興味を覚えるのだとか。そういえば、ロボットと呼ばれるモノはどれも仕事を受け持っていて、作業の正確性や効率といった指標がありますね。乗り物好きな少年がアニメの変形ロボットに触発されて、ロボット製作に心を傾けていった経緯がわかる気がします。

そんな石田様は、自動車にもバイクにも乗ります。さらになんと一輪車にも乗れるのだそう。「運動神経が良いんだなぁ...」と思った次の瞬間、面白いモノに乗って移動してきました。

これは「ホバーボード」という、ハンドルのないセグウェイのような乗り物。前傾姿勢を取ると前進して、体の重心を土踏まずの辺りに移動すると止まります。見るからに楽しそうな乗り物ですが、こういうものも今後のロボット開発のヒントになるのでしょうか?

ここが、BRAVE ROBOTICSの部品加工スペースです。中央に当社の「Bender Black 30」が、その隣に「KitMill RD420」がありますね。RD420は、ベースに鋳鉄を用いた堅牢な構造で、安定感のある切削に定評があるCNCフライスです。加工面積が広いので、A4サイズ程度のワークも余裕でセットできますから、一つの部品を複数作りたい時はもちろん、厚みが同一で形状の異なる部品を一度に作りたい場合でも、1枚の材料に多面付けした加工プログラムを作り、一度に加工を済ませることが比較的容易にできます。

このカバーは石田様の自作です。写真では蓋が外されていますが、加工時には機械全部を覆うカバーになります。このカバーと集じん機があるだけで、切削屑の飛散が防げて作業がかなり快適になるのです。こうして工夫しながらキレイに使っていただけると、とても嬉しく思います。

これは「RD420」で加工したあとのスクラップですね。切り出されたり削り出されたパーツはそのまま使われたり、次の工程で折り曲げられて板金部品として完成します。

これがその折り曲げに使う機械「Bender Black 30」です。いえ、これは「Bender Black 30(改)」と呼ぶべきでしょうか。

「Bender Black 30」は、必要な形に切り出した材料をダイ(下型)に乗せ、バックゲージに材料を突き当てて折り曲げの位置を決め、レバーによって下ろされたパンチ(上型)で材料をダイに向かって押し込むようにして折り曲げます。折り曲げた内寸の寸法精度はこのバックゲージが握っているわけですが、ここにリニアガイドとデジタルノギスを追加することで、より精密な寸法が出るように改造されています。このように、「よりいいモノを作ろう」と、当社製品に手を加えて使っていただいている様子を拝見するのは、本当に嬉しいものです。

加工スペースの傍らにあるこの黒電話は、驚くことに現役の電話機なのだそうです。調べたら、これは昭和30年代のシロモノで「4号A卓上黒電話」という物のようです。黒電話は構造が単純なため耐久性が高く、電源不要なので、電話線が生きていさえすれば停電中でも普通に使えるところが最大の利点です。ふだんはちょっと粋なインテリアとして、そして災害時にはしっかり役立つ黒電話。このようなアナログ機械には、ロボットや乗り物とは違った魅力があります。

ロボットには、切削部品だけでなく3Dプリンタによる樹脂部品も数多く使われています。こちらの3Dプリンタは3ヶ月更新型のレンタル品だそう。導入検討の段階ではどのくらいの頻度で使うのか見当がつかなかったのでレンタルを選択したところ、部品を作っていくうちに意外と使用頻度が高いことがわかったそうです。ただ、当面はレンタルのままこの機械を使っていくとのことです。

3Dプリンタの隣には自作の塗装ブースが備えられています。かつてはアパートのベランダで周囲に気を使いながら苦労して塗っていたそうですが、これなら思い切りよく塗装作業が出来そうですね。

さて。この厳ついケースの中には何が入っているのでしょうか?

これは、YouTubeでご覧になった方もいるかと思いますが、2013年のMaker faireに出展された変形ロボットの初回品です。そしてこの成功がジェイダイト・クォーターの誕生へと繋がったわけです。ただ切ないことに、その後コントローラに不具合が出てしまい、同じコントローラの代替品が手配できないまま、今はこうして長期保存状態になっています。ロボットそのものに不具合はないので、同じコントローラさえ手に入ればまた元気な変形シーンが見られるはずです。

コントローラーが元気だった頃のパフォーマンスシーンが、YouTube上に残っています。武器として、"ロケットパンチ"が付いているんですね。小さいながら、これはなかなかカッコイイ変形ロボットです。

動画を見ると、やはり1/12スケールは機体が軽く、駆動部品も少ないので変形も素早いのですね。この"テキパキさ"を3.5m、さらに5mのモデルで実現するのはとても気の遠くなるお話に思えます。

それでは、この初期型変形ロボットから一段も二段も進化したジェイダイト・クォーターの細部を見ていきましょう。

掌にはマグネットが装着されており、それによって武器を掴むことができます。

コックピットにシートベルトを締めたパイロットが乗っているのがお分かり頂けますか?
「ロボットは、命の保証ができないほど乗り心地が悪いモノ」という通説があり、YouTubeにはRX78ガンダムを例に取り、乗り心地の酷さをシミュレーションした動画もあります。そこで、試しにこのジェイダイトにダミー人形を乗せて動かしてみたところ、意外と姿勢は保たれることが判明したそうで、「実際に人間が乗って動かせるロボット」の乗り心地は"ある程度"保証できそうです。

ご覧頂いたように、意匠部分には3Dプリンタで製作したパーツを、機構部分にはCNCフライス等切削加工で製作したパーツが使われ、各加工機の持つ利点がぞんぶんに活用された作品となっています。外装は特注のポリカーボネートの成形品で出来ており、先ほどご紹介した塗装ブースで塗装して仕上げられています。この塗装もムラのない見事な仕上がりで、一見すると「特殊な合金で出来ている」かのように見えてしまうほどです。

製作するロボットのサイズが自動車のサイズに近づくにつれて、サスペンションやモータ等、既存の自動車部品を流用できるため、3.5mモデルの開発にあたっては、主に自動車パーツ関係のスポンサーを募りたいとのことでした。そしてこれは大がかりなプロジェクトですから、それに見合った人手も必要なはずですから、そろそろ設計や組立、整備スタッフなどの人材も増やさなければならない時期が来ているようです。

そして石田様にはもう一つ、「実体からの二次元コンテンツの制作」という目標があるそうです。従来の二次元からの実体化とは逆に、既に実体として存在するジェイダイトを二次元化して、アニメーションが制作できたら面白いなと考えておられるようです。そんな思いもあり、既にロゴも用意され、公式HPも「神器建造ジェイダイト」という、それらしいネーミングで公開されています。サイトコンテンツも心躍る内容で見応えがありますし、ジェイダイトの仕様詳細をそこで確認することができます。

神器建造ジェイダイト

なるほど。おもちゃメーカーを意識した雰囲気のロゴですね。

全長1.3mのジェイダイト・クォーターは、子供のようで本当に可愛いですよ。

「少年の心を持ち続ける」とか「夢をあきらめない」という言葉はよく耳にしますが、石田様から直々に変形ロボットへの思いやこれからのビジョンを伺って、まさにそれら抽象的な言葉を体現している方だな...と思いました。そして今後の過程でこれからも当社の製品がお役立つことを願ってやみません。石田様には、長時間にわたる取材にお付き合いいただき、本当に有難うございました。今後ますますご活躍くださいますよう、心より期待しております。

株式会社BRAVE ROBOTICS WEBサイト:http://www.braverobotics.com/index.html

撮影させて頂いた写真一覧はこちらからご覧になれます。

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