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ものづくり文化展

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CNCで作る木製T型フォード

製作者の情報

製作者 Paradise様
Webページ CNCの自作とCNCで作る工作

使用している製品・部品

製作者のコメント

CNCフライスを使い、シナベニヤを主材に1/10サイズの模型を作りました。
木で作る理由は金属や高分子素材にない温かみがあるからです。

同じ作るなら約100年前に大量生産の礎を築いたT型フォードをと思い、ネットで画像やイラストを集め、CADで図面を起こし、CNCで部材の切削や加工を行いました。
木の模型と言ってもボンネットを開けるとエンジンが載っていてハンドル操作は勿論、サスペンションまで忠実に再現してみました。

写真

CNCでホイルの加工中

タイヤは共芯のシナベニヤをCNCを使いホイール部分とタイヤ部分に分けて加工し、後で張り合わせて作りました。ホイール加工中の画像です。
タイヤの丸みはCNCで簡易3D加工し、サンダーで仕上げています。
シャシー正面からの画像

T型フォードのフロントサスペンションは横置きリーフスプリング(板ばね)を使ったリジッドアクスルです。
私は若いころ自動車の整備士をしてましたが、国産車のアクスルは縦置きのリーフスプリングが殆どで欧州車の横置タイプを見た事が有る程度でした。
スピンドルヨークの形状も国産車とアクスル側とスピンドル側が逆だったりして興味があります。また、アクスル前後左右のずれを抑える為にエンジン下部の一点とフロント・アクスル左右のシャックル下部をラジアスロットで繋ぐトラス構造になってます。

サスペンションのスプリングを当初は木で作るつもりでしたが、折角作るのだから出来るだけリアルにと掃除機のコード巻き取り用ゼンマイを板ばねとして使いました。
シャシー後ろからの画像

リアサスペンションも横置きのリーフスプリングのリジッドアクスルですが、デファレンシャルのギャーボックスが当たらないように上側に湾曲した特異な構造でした。
トランスミッションとデフを繋ぐプロペラシャフトは、インナータイプで鋼管チューブの中に入っていてミッション側の根元とリア・アクスルのブレーキドラム(パーキングブレーキ)背面側を鋼管パイプ(ラジアスロット)で繋ぎアクスル前後左右のずれを防ぐトラス構造になってます。

尚、T型フォードの主ブレーキはトランスミッションの中にあり、外部収縮式のバンドブレーキです。また、トランスミッションは遊星歯車式で前進2段と後進1段で切り替えは、遊星歯車のリングギアをバンドブレーキで止める構造になっています。
シャシー斜め前からの画像

初期のT型フォードにはセルモーターやダイナモが装備されていませんでしたが、シリーズの途中から装備され、ヘッドライトなどのランプ類が電球式となりました。
右から見たエンジン部分の画像

私達が知ってるエンジンはインレットマニホールド(吸気管)とキャブレーターが上側から、エキゾーストマニホールド(排気管)が下側ですがT型フォードでは上下が逆ですね。多分、これには事情が有った事だと思います。
冷却ファンはクランク軸のプーリと平ベルト(当時Vベルトが発明されてなかったようです)で繋ぎます。模型ではスターティングハンドルを回すとファンが回るようにする予定です。
ほぼ出来上がった画像

最初は外観をセダンタイプにする予定でしたが、内部の様子が見えるようにオープンタイプのFord-1911 Model-T Torpedo-Roadsterにしました。
完成画像1 左全面からの画像

このモデルではヘットライトがアセチレンガス式で左側ステップの縦型タンクがカーバイド式のガス発生器です。また車幅灯やテールランプは灯油式です。

塗装はシャシー関係とホイールのみ少し濃いめのオイルステインで色付けし、その他はすべて亜麻仁油で仕上げました。
完成画像2 左側面からの画像

クラクションは手動式のエアーホーンです。

エンジンカバーを開けるとエンジンが見えます。
完成画像3 左後面からの画像

燃料タンクは円筒形で座席の後ろに配置されています。

スペアタイヤはオプションだったようです。
完成画像4 車体裏面からの画像

車体裏側の様子です。

当たり前ですが、運転席のハンドルを操作するとちゃんと動きますよ!

サイドブレーキも運転席のレバーを操作するとリンクが動きます。

動画

1911 Ford Model T Roadster 1/10 Wood craft


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