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日本のものづくりの方向性とわが社の役割

私たちオリジナルマインドは、日本のモノづくりシーンと共にあります。近年、ものづくりの世界は大きく様変わりし、それに伴い「日本のものづくり」のあるべき姿が鮮明に浮かび上がってきていると私は感じています。日本にはたくさんのものづくりを志す個人やガレージメーカーが存在していて、私が「小さなつくり手たち」と呼んでいるこういった皆さんが、これからのモノづくりシーンにおいて間違いなく主役になっていくと確信しています。この小さなつくり手たちの活躍するシーンは大きく分けて二つあり、いずれも日本のものづくりにおいて重要な役割を担っていくことでしょう。

日本人の感性が、ものづくりの未来を照らす
製品から作品へ
第一のシーン:日本人の感性が、ものづくりの未来を照らす

何かを使ってみた時に「どうもしっくりこない」「どうも腑に落ちない」というような微妙な違いを感じ取ることができるのは私たち日本人特有の感性でしょう。これからの時代、この感性はものづくりにおいて日本特有の方向性を示すことになります。

日本のものづくりは20世紀終盤に世の中がデジタル化したことによって大量生産・画一化がそれまで以上に進み、それに伴って労働力の安価な新興国へのシフトが一気に進行しました。そしてその流れが日本のものづくりの空洞化を引き起こしたと言われています。

さて、日本のものづくりは本当に空洞(からっぽ)になってしまったのでしょうか?
私は、どうしてもそうは思えません。確かに生産設備で作る「製品」は海外へ流出してしまいましたが、自らの感性を重視し、経験や勘によるコツの様なものも活かしながらつくり出される価値は今なお健在です。

こうした日本の特性に裏付けられた「もの」は「製品」と言うより、もはや「作品」です。大型機械による大量生産ではなく、日本人として「ものを」「作る」ということを極めて行った結果生み出された作品(made in japan)は、世界中の人が求め、所有すること自体を誇りに思ってもらえる「もの」になっていくことでしょう。

製造から創造へ
第二のシーン:テクノロジーの進化がつくり手を変えていく

近年のIT技術の目覚ましい進化とインターネットの普及は、ものづくりの世界に劇的な変革をもたらしました。小さなつくり手たちにとって障害となっていた壁が、一気に取り払われてしまったのです。

先ず上げられるのが工作に必要な機器類の飛躍的な進化です。一部の大企業しか所有できなかったような高価な工作機械が、機能をそのままに小型化されたり、それを制御するソフトウェアの性能も飛躍的に向上しました。3Dプリンタも出現し、それらが今までは考えられなかった安価で手に入るようになったのです。

さらにインターネットが個人個人の限界を越える手立てを生み出しました。それは「連携」です。個々人に属する知識や知恵やアイデアなどがインターネットを媒体として共有され、相乗効果を生み、さらには化学変化ともいえる現象を起こし始めたのです。かつては大企業の研究室などに、いわゆるエリートたちが集められ進められるしかなかった開発が、今ではオープンな世界でより自由に行われるようになったのです。

このパワーは計り知れないスピードとエネルギーを秘めていて、従来型の開発スタイルを越えていくと私は思っています。またインターネットはさらにクラウドファンディングに代表されるような、開発資金面での連携をも誘発するに至り、また完成品の販売面でも威力を発揮していることは皆さんご存じの通りです。このような連携による創造的活動は、本来日本人の得意としている行動様式であり、宗教的禁忌のないことも相まって、これからの日本の優位性を支えていくことは間違いありません。

テクノロジーの進化がものづくりを変えた
これから時代。ものづくりの主役は「小さなつくり手たち」
ものづくりの主役は「小さなつくり手たち」へ

二つのシーンにおいて、小さなつくり手たちのパワーはさらに大きくなっていくでしょう。ものづくりが心から好きで、上下関係も利害関係もない小さなつくり手たちの連携の先には無限の可能性が広がっています。

一方、ものづくりにおける資本の大きさはあまり意味を持たなくなっています。最大公約数的な製品を大量に作るしか方法がなかった時代ならともかく、今までになかった新しい製品をたとえ少量でもその人に最適の価値で提供する事が可能な今の時代に求められるものは何でしょうか?少なくとも大資本ではありません。

飛行機を発明したライト兄弟の、初めてのテスト飛行はたった36メートル飛んだだけで、その飛行時間もわずか12秒余りでした。これを見て「何を馬鹿なことをやっているのだ」と見下した人も少なくなかったでしょう。実際、アメリカの科学者は「機械が飛ぶことは科学的に不可能」とのコメントを発表しました。ライト兄弟でさえ最初から人々に尊敬されていたわけではなかったのです。

ものづくりのスピリッツをとことん支援していく

ライト兄弟は周りからの批評とは関係なく、人が根源的に持っている「つくりたい」という欲求に従い、自分たちを信じて挑戦し続けたのだと思います。

小さなつくり手たちに宿る、こうしたものづくりのスピリッツこそが、大企業や大資本に代わってこれからの時代最も必要になってくると私は確信しています。そしてそのスピリッツをとことん支援していくことが私たちオリジナルマインドに課せられた使命です。

私たちのいう"支援"とは、工作機械や部品などの供給にとどまらず、発表の場や交流の場を提供し、その場を通じてものづくりに挑戦する皆さんを励まし勇気づけたいのです。小さなつくり手たちによって数々のブレイクスルーが引き起こされ、日本が皆さんを主人公とした"ものづくりの国"となる日を、私たちも一緒に夢見たいと思います。

ものづくりのスピリッツをとことん支援していく