【KitMill CL100】オンラインマニュアル

4.組立方法

[4-1] 組立に関する注意

■ 対角締めについて
車のタイヤ交換などでご存知だと思いますが、ねじを締めるときは、1本毎に強く締めてから次のねじを締めるのではなく、均等な力がかかるように、1本ねじを少し締めたら対角に位置するねじを少し締めるという作業を繰り返し、徐々にねじを締めていきます。これを対角締めと言います。本キット組立時も、ねじを締めるときはこの対角締めを行ってください。ねじの本数が多い場合や、配列によっては、対角という言葉が不適切な場面もあると思いますが、要はどのねじも均等な力がかかるようにという意味があることを意識して組立を行ってください。

■ ゴミと汚れの除去
部品を取り付ける際は、取付面についたゴミや汚れをよく落として下さい。ゴミや汚れがついたままの状態で取り付けると、部品を傷つけ精度を落とし、寿命を短くしてしまいます。

■ ねじを締める際の注意

  • 「固定してください」と記述のあるねじは以降の工程でもう締めることはありませんので、ゆるまないようしっかりと締めてください。
  • 「軽く固定してください」とあった場合には、次以降の工程で緩めることになりますので、弱い力でネジを締めてください。取り付けた部品を手で触って、動かない程度が良好です。
  • 「仮止めしてください」とあった場合には、次以降の工程で強く締めることになりますので、ゆるめにしておいてください。ゆるめとは、ねじを回していき止まったところで1/4回転ほど戻すことを意味します。

ねじを締める強さですが、単に「強く締める」といっても、状況によってその強さは様々です。相手の材料が鉄の場合もあれば、アルミのように弱い材料もあります。また、鉄であっても板厚の厚いものもあれば薄いものもあります。その強さをうまく言葉で表現することはできませんので、組み立てる方の感覚にお任せするしかありません。手先に返ってくる反力を感じながら、ねじ山をつぶさないように注意をお願いいたします。

■ 部品の取り扱いは慎重に
本製品には高い精度で製作されている部品が多く含まれています。取り扱いによっては、部品の変形によって軸が入らないなど、組立が困難となることがあります。また、部品の変形は製品の精度や寿命に大きく影響を与えます。特にスライドシャフトやベアリングを叩き込むような組立をしないでください。隙間が少なければ入りにくいのは確かですが、まっすぐに入れれば力が不要な場合がほとんどです。

■ 部品が取り付けられないときは

  • 使用部品が正しいか確認してください。似た形状の部品が多い場合、間違えやすいのでご注意ください。
  • 向きが正しいか確認してください。向きが反対でもその場では組みあがってしまう可能性もあり、後で他の部品が取り付けられない場合があります。
  • 一度他の部品のねじを緩めてください。ねじの径に対し、通し穴は大きく作られています。誤差が蓄積してしまうと、正しい部品でも組みあがらなくなってしまいます。穴と穴の中心が合致するように組み立てると精度よく組みあがります。

■ 取扱説明書を読む際の注意
取扱説明書では、オプション品を購入した場合と、購入していない場合の両方の記述があります。該当のオプション品をお持ちであれば赤と白の項目、お持ちでなければ青と白の項目をご参照ください。

[4-2] ベースの組立1

【工程1-1】 
A1にA4を固定します。

カスタマイズでアルミ製加工テーブルをお求めいただいた場合はD1を取り付けてください。

a3のねじは6本使用してください。

基板加工アタッチメントの有無により固定位置が異なるので注意してください。

※1 基板加工アタッチメントをお持ちでない場合
写真で示す上側の赤矢印のねじ穴に固定してください。

※2 基板加工アタッチメントをお持ちの場合
写真で示す下側の青矢印のねじ穴に固定してください。

固定する際は、内側のねじから締めてください。

※ 固定の際は対角締めを行ってください。
以降の説明では省略しますが、部品の固定を行う際は、すべて対角締めを行ってください。

【クランプの使用方法】 
写真のように低頭キャップスクリュー2本(d1または d2)を用いてD2で材料を固定します。

【工程1-2】 
A1を裏返し、四隅にA35を固定します。
a6のねじを4本使用してください。

※ベースフレームを裏返す際に指を挟んだり、腰を傷めたりしないようにご注意ください。

【工程1-3】 
A1にA12を(※1 軽く)固定します。
a3のねじを4本使用してください。

【工程1-4】 
A1にA27を2本取り付けます。

A27ブロック上面の文字の方向を揃えてください。

※1 以降の説明では省略しますが、どのリニアガイドでも同様に、文字の方向をそろえてください。

※2 A27のブロックがレールから外れないよう、気をつけて取り扱いください。ボールが脱落し元に戻せなくなります。

【工程1-5】 
右側に配置するA27のレールは下側に押し付けながら固定します。固定の際は対角締めを行なってください。
a5のねじを10本使用してください。

※1 以降の説明では省略しますが、部品の固定を行う際は、すべて対角締めを行なってください。

必ずA27ブロック上面の文字の方向を揃えた状態で固定してください。文字の方向さえ揃えてあれば、取り付ける向きに指定はありません。左側のA27は(※2 仮止め)します。

【工程1-6】 
A1の側面の長穴からA10を差し込み、A27のブロックの上に乗せます。

※1 A10には取り付ける向きがあるので注意してください。

※2 A27のブロックがレールから外れないよう、気をつけて取り扱いください。ボールが脱落し元に戻せなくなります。

【工程1-7】 
A27のブロックとA10を(※1 仮止め)します。
a5のねじを8本使用してください。

【工程1-8】 
A10を上部にスライドさせ、A1に押し付けてぴったりと合うように、a5のねじ4本を締めて、右側のA27とA10を固定します。