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入選

Ⅳ号戦車D型シルバーペンダント

ドイツ軍戦車Ⅳ号D型を3DCADで作成し、エポキシパテをQt100にて切削加工。4面加工で制作しています。原型はMoI3Dという3DCADでデジタルデータを作成し、MeshCAMV6でG-CODEを生成しています。

アクリル板を加工面に貼り付け、ポケット加工することでポケット部の段差にパテブロックを押し付け、x軸方向の位置合わせを行っています。両端の非加工部位の上面にφ4の2枚刃エンドミルをあて、ハンドルで端面と面一になるよう調整し、ブロック左下エッジ部を原点として加工しています。(基準面によっては左上エッジ部原点の場合もあり。)

加工が終わった原型をシリコーンゴムで型を取り、インジェクションワックスを打ち込んで複製を取ります。ワックス複製を石膏でくるんで焼くことで石膏型を生成します。石膏型に溶かしたAg925を流し込んで磨いて完成になります。

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微細加工への不屈のチャレンジ精神が感じられる作品。加工に使われたというR0.05mmのエンドミルというと、間違って指が触れただけでも折れてしまうような繊細さに加え、価格も高価なもの。ここまでくると機械性能の良し悪しというレベルではなく、加工順序、加工経路など複数の要素を完璧に噛み合わせなければ実現することが難しい。恐らくこの作品を作ることができるようになるまでに何度も苦い思いをしたはず。心を折ることなく実現までこぎつけた制作者の執念を賞賛したい。

中村 一

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受賞作品一覧:2018年