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【 abs 】

MONO様からの選考理由

この作品は参加する人の足踏みに応じて作品が腹筋をし、一生懸命足踏みすれば最後には立ち上がってくれるというインタラクティブアートです。その完成度の高さからまったくと言っていいほど外観に粗が見えません。そのメカメカしさを排他した外観からは独特の愛くるしさすら感じます。この作品の魅力を単刀直入に表現するとすれば、「一生懸命腹筋をさせたくなってしまう魔力」。

人はなぜだか無性にこうしたものに惹き付けられてしまう部分を持っているんですね。作品に腹筋をさせようとジタバタと必死に参加者は足踏みをします。でも、一生懸命で大変なはずなのになぜだか笑顔になってしまう。なんのためにそんなに一生懸命足踏みをしているかというと目的はただ一つ「腹筋させて、最後に立たせたいから」なわけです。「なぜ腹筋させたいのか」そんな疑問よりも腹筋させることに必死になる。人ってのは不思議な生き物です。気がつくとこんなことにも一生懸命になってしまう。とてもキュートで愛くるしい作品、でも一番キュートなのはこの作品に参加している人たちのその無邪気さなのかもしれません。 こうしたインタラクティブ作品は数多くあれど、実際に作品に参加したいと思わせるだけの魅力がないと作品として成り立ちません。その点においても当作品は「なんだろうこれ??」と人を惹きつけるような外観的な工夫が随所に施されていることにも注目です。

作品を通して、人が誰しも内側に持っている「一生懸命に頑張っている時こそ不思議と笑顔になる」という魅力を引き出してしまうそのアイデアと粗が全く見えない作品の作り込みに感動しました。その作品が生み出す体験の面白みと深みを思い、MONO賞をお贈りさせていただきます。

熊谷 文秀様より

世界中の老若男女が憧れる「割れた腹筋」しかし、腹筋運動の風景はストイックで懸命な雰囲気が醸し出されてしまい、何故か少し滑稽です。「もし何かが一所懸命に腹筋運動をしていたら面白いのではないか?」一瞬閃いたそのイメージだけがこの作品の全てでした。

インタラクティブアートなどと称してはいたものの「アート作品」として私自身から発するメッセージはとても希薄で不明瞭なものであったのです。この度寄せて頂いたMONO様からの選考理由には、私自身あやふやだった作品に対する思惑が明快に表現されていました。「なるほど!そ、そういうことであったか!」と、逆に存在理由を与えて頂いたかのような喜びを感じております。

踏み台の上で頑張って下さった参加者さんとその周りを囲んでいた人々、そしてMONO様と、作品に共感して頂いた皆様に感謝いたします。ありがとうございました!

作品ページ

賞品の内容

熊谷 文秀様には当社ロゴマーク入りのキーホルダーと1万円分のポイントが贈呈されます。
また、MONO様より、コワーキングスペースMONOの利用券が贈呈されます。

応募作品一覧:2016年