最高にかっこいい…。正直この一言だけでもこの作品の魅力は言い切れてしまいます。百聞は一見に如かず。作品そのものが言わずもがなその魅力を十分に私たちに伝えてくれています。モーターをV字に12個配列しているある意味で「強引な設計」に男心をくすぐられる魅力があり、このシャーシをボディーで隠してしまうことがもったいないとすら思えてしまうほどに、ともかくかっこいい。12個のモーターを限られた車体スペースに詰め込むという荒業をしているにも関わらず、その完成形は見事なまでに統一感のとれた美しいスタイルになっています。

「普通のRCカーと比べて何がどう違うのか、どのくらい速いのか。もはやそんなことどうでもいいんだ！ともかく走らせてみたい！」そう思わされてしまいました。こうした追い切った着想をカタチしてしまうことこそが小さなつくり手ならではだと思います。こうした作品は「つくりたいからつくった」という良い意味での自己中心的な欲求を動機にしなければ生まれ得ないものでしょう。そして、例え自分がつくりたいだけでつくったというものでも、多くの人の興味を引き、共感を得ることができるんだということをこの作品は体現しています。その男らしい思い切った設計アイデア、そしてそれを美しいスタイルにまとめあげてカタチにしてしまう技術力の高さに対し、FabCafe賞をお送りさせていただきます。

まず、今回ものづくり文化展でFabCafe賞を受賞出来た事、とても嬉しく思っています。

この作品のコンセプトですが、コメント頂いた通り非効率的な構造を技術で補って出来るだけ走るように（走行性能を高く）してみようという物です。また、元のＲＣのボディーに収まりタイヤ等の消耗品が互換性がある事も意識して作っています。ある程度走らせて遊ぶつもりで作ったので、流用部品を残す事で性能の維持を容易にするためです。

完成後に特に達成しなければならない性能があるわけではないので、作り込みをどこまでやるかの判断が難しかったですが手間を掛けた部分はそれに答えて動いてくれているように感じます。

今回の受賞を励みに、これからもより良い作品を作って行きたいと思っています。