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プラスチック歯車の特性
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プラスチック歯車(MCナイロン)を使用する場合、温度および吸水等の影響によって製品の品質が変化いたします。
下記の特性をご参照の上、注意してご使用ください。

熱的性質

MCナイロン製品は、温度によって寸法が変化いたします。
当社の製品は20℃~30℃の状態で加工されたもので、冬季と夏季によって若干の寸法誤差が生じますので、ご了承ください。
ここに各種プラスチック材料の荷重たわみ温度および熱的性質を示します。

・各種プラスチック材料の荷重たわみ温度(ASTM-D648)

※プラスチック材料を長時間連続してさしつかえない温度の判定はなかなか難しく、ごく一般的には荷重たわみ温度より20~30℃以下とされています。
また、長年の使用実績からの経験値で決めることもあります。
低音の使用可能温度は、一般的にあまり資料等に記載されていませんが、脆化温度特性を参考にしながら経験や実績等で決めてください。

・各種プラスチック材料の荷重たわみ温度(ASTM-D648)

性質 試験法ASTM 単位 MC901、900NC MC601ST 66ナイロン ポリペンコアセタール テフロン
熱伝導率 C-177 10-1kcal/mhr・°C 2   2.11   2.16
線膨張係数 D-696 10-5/°C 9 6.5 10-15 9 10
比 熱 - cal/°C・g 0.4   0.4   0.25
荷重たわみ温度(18.6kgf/cm2) D-648 °C 160-200 200以上 66 110 56
(4.6kgf/cm2) D-648 °C 200-215 215以上 182 158 120
連続使用温度 - °C 120 150 120 95 260
荷重変形(140kgf/cm2、50°C) D-621 % 0.65        
熱伝導率   °C 220-223 220-223   165  

吸水性

MCナイロン製品は、吸水によって寸法が変化いたします。
ご購入時の寸法が使用する環境や気候的な影響によって若干の寸法誤差が生じますので、ご了承ください。
ここに、MC901の吸水率および水分吸収率と寸法増加量を示します。

・MC901の吸水率(ASTM D-570 他)

吸水率(水中、常温、24時間) 0.5~1.0%
吸水飽和値(水中)
吸水飽和値(常温、室内放置)
5.5~7.0%
2.5~3.5%

・MC901の水分吸水率と寸法増加量

耐薬品性

MCナイロン製品は、主に食品機械や化学機械に使用されますが、環境によってご使用できない場合がありますのでご注意ください。
MCナイロンの耐薬品性は、一般的に有機溶剤に強く酸に弱いといわれます。
ここにナイロン樹脂の耐薬品性を示しますが、使用条件により異なる場合がありますので、予備試験等を行ってください。

・MCナイロンの耐薬品性(○ほとんど侵されない △条件付使用可 ×使用不可)

薬品 耐性 薬品 耐性 薬品 耐性
希塩酸 酢酸メチル ニトロベンゼン
濃塩酸 × 酢酸メチル サルチル酸
希硫酸 酢酸ナトリウム ジブチルフタレート
濃硫酸 × アセトン シクロヘキサン
希硝酸 メチルエチルケトン シクロヘキサノール
濃硝酸 × ホルムアルデヒド テトラヒドロフラン
希燐酸 ホルムアルデヒド ε-カプロラクタム
水酸化ナトリウム(50%) エーテル類 石油エーテル
アンモニア水(10%) アセトアマイド ガソリン
アンモニアガス エチレンジアミン ディーゼル油
食塩水(10%) アクリルニトリル 潤滑油
塩化カリウム 四塩化炭素 鉱物油
塩化カルシウム エチレンクロライド ひまし油
塩化アンモニウム エチレンクロルヒドリン 亜麻仁油
次亜鉛素酸ナトリウム × トリクレン シリコン油
硫酸ナトリウム × ベンゼン 食用油脂
チオ硫酸ナトリウム トルエン 牛脂
重亜硫酸ナトリウム フェノール バター
硫酸銅 アニリン 牛乳
重クロム酸カリ(5%) ベンツアルデヒド ぶどう酒
過マンガン酸カリ 安息香酸 フルーツジュース
炭酸ナトリウム クロルベンゼン 炭酸飲料水

軸への取付方法

軸に歯車を取り付ける方法として、軽荷重の場合は、キー、テーパーピン、スプリングピン、ブッシュ圧入後ねじ止めなどの方法で行いますが、次のような場合にゆるみやすいので、金属製のボスを用いてプラスチック歯車を固定します。

  1. 周囲の温度が高い場合
  2. 歯車の径が大きい場合
  3. 正逆転がありキーに衝撃のかかる場合

金属ボスと、プラスチック歯車をボルトで固定する方法として、下図にその一例を示します。
なお、ボルトで取り付けが不可能な形状の歯車は、金属ボス融着固定法をおすすめします。

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