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電流計ボックスの製作例
  • 概要
  • 製作方法

はじめに

mini-CNCと、Bender Black 30の2つがあれば工作の可能性は大きく広がります。
まさに夢の工作環境です。
今回はその2つを使って「電流計ボックス」を作る例を詳しくご紹介いたします。



部品リスト

  • アルミ板(T=1.0×150×200) 2枚
  • 捨て板(T=1.6×150×200) 1枚
  • 両面テープ
  • エンドミルΦ1 1本
  • 秋月電子 デジタル電圧計 PM-188BL 1個
  • ターミナル 赤,黒 各1本
  • ゴム足 4個
  • タカチ電気 9V電池ボックス LDN-006PB
  • シーソースイッチ 1個

アルミ板の加工

材料とワークプレートの用意

今回は作るものの大きさにあわせてmini-CNC BLACK 1520を使用します。 写真は、左からワークプレート、アルミ捨て板です。今回の加工は、アルミ板の切り抜きです。アルミの板厚よりも少し多めに切り込むため、ワークプレートを削ってしまうことがないよう、捨て板が必要です。

両面テープの貼り付け

アルミ板と捨て板に両面テープを貼り付けます。両面テープをあまりたくさん貼り付けすぎると剥がすときに大変ですし、かといって少なすぎると切削油がしみ込んだ時に剥がれてしまう可能性があります。今回は約1.5センチ程度の間隔をあけて貼り付けてみました。(両面テープのメーカーや種類によって、粘着力が異なりますので、間隔については、ケースバイケースです。)

ワークプレートに貼り付け

ワークプレートの上に捨て板を貼り付け、捨て板の上にアルミ板を貼り付けます。

本体へのセット

mini-CNC BLACK 1520本体にセットします。

エンドミルのセット

本体にエンドミルをセットして下さい。今回使用するエンドミルは刃の直径がΦ1ミリです。BLACK1520には、標準でシャンク径Φ4用のスピンドルシャフトが付属していますので、こちらのエンドミルをお勧めいたします。

DXFの用意

この部品は最後にBB30で曲げ加工を行うので、曲げしろを考慮して設計してあります。CADは、フリーのJW-CADを使用しました。
DXF ファイルのダウンロード

JMM-TOOLの起動

JMM-TOOLを起動し、ファイル/開くをクリックで、さきほどのDXFファイルを読み込みます。

JMM-TOOLの設定

オプション/設定で下記のように設定をしてください。
今回切削する材料は厚さ1ミリですが、「材料の厚み」を1.5mmと、0.5mmほど多めに設定しています。
材料の反り等が原因で、完全に切り抜くことができず、一部分がつながってしまうことが無いようにするためです。
したがって、捨て板には0.5mmの溝が彫られるというわけです。






設定が終了したあと「OK」をクリックすると「ツールパスを初期化しますか?」というウィンドウが出ますので、「はい」をクリックしてください。

Gコードの生成

JMM-TOOLのオプション/ジェネレートを実行するとGコードが生成されます。生成されたGコードをNCVCで確認します。
生成されたGコードのダウンロード
(Gコードの先頭にコメントが出力されますが、Mach3ではこのコメントがエラーになってしまうようですので、削除しておきました。)

設定ファイルのコピー

Mach3を起動する前に、下記のファイルMach3をインストールしたフォルダに入れておいてください。(BLACK1520をMach3で動かすときに必要な設定情報が入っています。)
BLACK.XML

Mach3の起動

デスクトップにある「Mach3 Loader」をクリックします。




メニューが表示されますので、「black」を選択し「OK」をクリックします。

原点復帰の実行

BLACK-1520の電源を入れ、Mach3のRESETボタンをクリックします。
次に「REF ALL HOME」というボタンをクリックすると、原点復帰が実行されます。
原点復帰が完了するとXYZの座標がすべてゼロになります。
原点センサセットをお持ちでないお客様は、この作業を省略して頂いてかまいません。
原点センサセットがあれば、加工を開始する前に原点復帰を実行することにより、なんらかの原因(たとえばパソコンのハングアップ等)で加工を中断しても、現在位置の絶対的座標がわかるので、加工をやり直すことができますので便利です。


Z軸→Y軸→X軸の順で復帰されます。

加工を開始する位置に移動

原点復帰を実行したら、JOG(キーボードの矢印キー)を使って、加工を開始する位置にX軸とY軸を移動させます。
今回の加工品は、アルミ板からの切り抜きになりますので、加工を開始する位置は極端な言い方をしますと、どこでも良いことになります。
しかし、加工品の大きさがBLACK1520の持つストロークに対してあまり余裕がないので、できるだけ材料の左下にすべきです。

Z軸の位置出し

まず、材料から刃物の先端がおよそ9ミリぐらいになるようにJOGを使ってZ軸を下降させます。
次に、mini-CNC BLACK1520に付属のΦ10ミリのピンを材料の上に置きます。
そして、ピンを奥に押し当てながら、Z軸を少しずつ上昇させます。
ピンが通れば、材料から刃物の先端までの距離が正確に10ミリということになります。
さきほどJMM-TOOLで生成されたGコードは、刃物の先端が材料から10ミリのところからスタートすることを前提につくられています。
ちなみに、Z軸の位置出しの仕方は、人それぞれです。スピンドルを回転させて実際に材料に当て、わずかに当たったところをゼロとするやり方でも良いと思います。

現在位置のメモ

以上の操作により、X軸とY軸は、加工を開始する位置にいることになり、また、Z軸は材料から刃物の先端までの高さが10ミリの位置にいることになります。
その座標を忘れずにメモしておきます。(原点センサセットをお持ちでないお客様はこの作業は省略してください。)
もしなんらかの原因で加工を中断(たとえばパソコンのハングアップや停電)したとき、もう一度原点復帰をし、メモした座標に移動させれば、最初から加工をやり直すことができるというわけです。

Gコードの読み込み

File/Load G-Codeをクリックし、さきほどJMM-TOOLで生成されたGコードを読み込みます。

現在位置をゼロに

「Zero X」、「Zero Y」、「Zero Z」を押して座標をゼロにします。

加工スタート

さあいよいよ加工スタートです! 「Cycle Start」をクリックで加工がスタートします。


加工中の様子1

加工中の様子2

加工中の様子3

加工完了後の写真(Y軸テーブルの周りに緑色のテープが貼ってありますが、これは切粉の飛散を防ぐもので、必ず貼らなければならないというものではありませんが、たったこれだけでもかなり効果があります。)

切削油について

マシンの性質上、切削油をどんどん流すというような使い方はできませんが、加工前に材料の表面に塗っておくだけで、刃の寿命や切れ味などがかなり良くなります。切削油は、水溶性のものがよいと思います。ホームセンターに売っていますので、入手がしやすく、また何倍にも薄めて使うものですので、コスト的にも有利です。

材料の取り外し

材料は、ヘラのようなものを使うと取り外しやすいと思います。せっかく加工したものが変形しないように注意しながら取り外してください。


加工品の写真です。きれいに削れています。

もう一枚の板の切り抜き

ボックスの下側になる板も、同じ手順で加工を行ってください。
DXFファイルのダウンロード


JMM- TOOLで生成されたGコード
(Gコードの先頭にコメントが出力されますが、Mach3ではこのコメントがエラーになってしまうようですので、削除しておきました。)


生成されたGコードをNCVCで確認します。


ボックス上(フタ)を作ったときと同様に切り抜きを行ってください。↓加工後の写真


この部品にはタップがあります。タップは曲げる前にしておいたほうが楽です。


いよいよ曲げ加工

ボックスの上側(フタ)の曲げ

曲げ位置はこちらのDXFを参考にして下さい。DXFのダウンロード


まずは、2箇所の傾斜部分の曲げを行います。曲げ角度は2箇所とも15度です。角度の調整は左右のストッパにて行います。15度に正確に曲げるには、同じような幅のアルミ板を使って事前に曲げテストをしておいてください。パンチ(上型)およびダイ(下型)は幅160ミリのものを使用します。

クリックで傾斜部分の曲げ加工時の動画がご覧になれます。

傾斜部分の曲げ加工後の写真


次に、直角部分の曲げです。曲げる前に下記の写真のようにテープを貼っておくと、キズがつかず外観がきれいに仕上がります。曲げ加工は曲げる順番が大切で、もし直角のほうを先に曲げてから傾斜部分を曲げようとすると、本体に干渉して曲げることができなくなってしまうので注意が必要です。


クリックで直角部分の曲げ加工時の動画がご覧になれます。

曲げ加工後の写真(クリックで拡大できます。)

ボックスの下側の曲げ

曲げ位置はこちらのDXFを参考にして下さい。 DXFのダウンロード


まずはフチの曲げをする前にキズを防止するためにテープを貼っておきます。


パンチおよびダイは、幅160ミリのものと幅40ミリのものを並べて使用します。正確に90に曲げるには、同じような幅のアルミ板を使って事前に曲げテストをしておいてください。角度の調整は左右のストッパにて行います。

クリックでフチの部分の曲げ加工時の動画がご覧になれます。

次に傾斜部分のフチを曲げますが、その前にキズ防止のためのテープを貼っておきます。


パンチおよびダイは幅40ミリを使用します。

クリックで傾斜部分のフチを曲げたときの動画がご覧になれます。


最後に、両サイドの曲げを行いますが、その前にキズ防止のためのテープを貼っておきます。


パンチは幅80ミリ、ダイは160ミリを使用します。曲げる部分の長さは80ミリ以上ありますので、曲げる部分の幅がパンチの幅よりわずかに長いのですが問題ありません。

クリックで両サイドの曲げをしたときの動画がご覧になれます。


曲げ加工後の写真(クリックで拡大できます。)

ボックスの組み立て

組み立てたときの写真1(クリックで拡大できます。) 組み立てたときの写真2(クリックで拡大できます。)
部品を取り付け後の写真(おもて) 部品を取り付け後の写真(うら)

回路図

ご説明は以上です。mini-CNCと、Bender Black 30は夢の工作環境です。この製作例をご参考にあなただけの作品づくりにチャレンジしてください。

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