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ぼくの夢はロボット博士!若きロボットクリエイターの多田さんに会ってきた!

2016年02月24日

当社のKitMillをご利用くださっている多田有佑さんのご自宅に取材に伺った。最寄りの駅で待ち合わせをさせて頂いたのだが、彼は当社の「時代は切削!」Tシャツを着て待ってくれていた。私はそれを見てもう最初から嬉しくなってしまった。

多田さんは現在高専2年生。ロボカップジュニアに初参加で日本大会に準優勝し、世界大会では18ヶ国中5位という素晴らしい成績をおさめた大変優秀な若者である。驚くのはそれだけではない。彼はなんと中学生の時には既に二足歩行ロボットを製作していたのだ。近年は個人でも高度なものづくりができる環境を手に入れやすく、そのハードルはかなり下がってきた。だがしかし、中学生という若さで二足歩行ロボットを完成させる人はそう多くいるものではない。そのためか、彼には共にロボットづくりを楽しみ、高め合うことのできる仲間が周りにはいなかったという。このためお母さんの応援も借りながら、社会人が運営するロボットサークルに入り、ロボット作りを続けたそうだ。

お母さんは多田さんの成長を下記のブログで綴っている。
ボクの夢はロボット博士

この二足歩行ロボットは、そのときに彼が作ったものだが、使われているサーボは、そのロボットサークルの先輩たちに古いサーボを譲ってもらったものだそうだ。しかし貰ったサーボはトルクが弱く、そのままでは満足に二足歩行ができなかったため、彼は1関節に2個のサーボを使い、同期させてトルクアップを図っている。1関節に2個のサーボというのは、制御的にもメカ的にも作るのが大変だったと思うが、逆にそのことが彼をレベルアップさせたようだ。

多田さんは、当社のSR420を所持してくださっている。でも最近新たにRD300も追加購入してくださった。この若さでどうしてそんなに製作環境に恵まれているのかというと、家が裕福だったからとか、宝くじに当たったからとか、決してそんな単純な理由ではない。既述のように、彼はロボカップジュニアで大変優秀な成績をおさめた。世界大会出場の際には、先生からの勧めで、ロボット製作に使うという制約付きではあるが返済不要の奨学金100万円を受け取ることができたという。最初のSR420はお母さんが購入してくださったそうだが、2台目のRD300はその奨学金を利用したそうだ。だからこの環境は、彼が自ら努力して勝ち取ったものなのである。

私は今回なぜ多田さんに取材を申し込んだかというと、彼のツイッターを見て、製作されている部品がすごく綺麗だったからだ。彼は自身の所有するCNCのほかに、学校に常設されている当社製HAKUや、中国製CNCも使用しているらしい。加工機にはその構造や使用材料等の違いにより、それぞれ特有の「クセ」があるものだが、彼はその「クセ」を加工機ごとに熟知しており、それを意識した上で加工を行っている。当社CNCにも当然クセがあるが、写真のように彼はアルミだけでなくPOMや基板といった様々な材料を高い精度で綺麗に加工できており、見事にCNCを使いこなしている。

多田さんのTwitter
https://twitter.com/YxTada

また、CNCを組み立てる際には、ピックテスターを使いリニアガイドの平行度をぴったりに合わせ、正確な組み立てをしたそうだ。その時のようすは彼のブログで紹介されている。

KitMillSR420組み立て記録
Yunit Robotics Blog

多田さんは、中学生で二足歩行ロボットを作ってしまうほど優秀で、世界大会にも進出するほどの実力を持っている。でもだからと言って、彼は自分が優秀であることを鼻にかけるような高飛車な人間ではない。むしろ謙虚で感謝の気持ちにあふれた若者であった。以前から彼は、自分のCNCを使って仲間に部品を作ってあげているそうだ。材料や刃物代など最小限の費用は貰うようだが加工賃自体は無料で作ってあげているらしい。また、今回新しくRD300を購入するにあたり、以前所有していたSR420はどうしたのかと聞いたら、学校に寄付したという。どうしてそんなに良心的にできるのかと聞いたところ、「ロボットサークルで社会人の先輩から受けた恩がある。自分が恩を受けたように他の人にも与えて、そのバトンを繋げたい」と語っていた。お母さんへの感謝の気持ちも強い。「ふつうの親だったらこんなにも息子のやりたいことに応援してくれなかっただろう」と言っていた。さらに彼は、当社に対しても感謝の気持ちを持ってくれていた。世界大会に行ったとき、CNCで部品を作っている選手は全くいなかったという。アジア方面ならまだしも、自作文化の根深いヨーロッパでもCNCを使っている選手は皆無だったそうだ。だから彼は、低価格でCNCを提供している当社に感謝の気持ちを持ってくれていた。私はそのことがとても嬉しかった。

最後に彼に将来の夢を聞いたところ、高専を出た後は工業大学に進み、将来はロボット博士を目指したいと語っていた。若くしてこれほどの実力を持つ彼がこのまま成長していったらどんなロボット博士になるのか、今からとても楽しみだ。そんな彼とはこれからも交流を持ち続けていきたいと思った。

撮影させて頂いた写真一覧はこちらからご覧になれます。

多田さんのロボット作りに関する記事はこちらからもご覧になれます。

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