2012年09月05日
いま動画サイトなどで話題の 勝手に入るゴミ箱作った の製作者みのくらさんに取材をさせていただいた。
(実は、世間のみならず当社の社員の間でもこの動画のことが話題になっていた。動画の中で当社の製品である「mini-CNC HAKU」が使用されていることもあり「取材依頼をしてみよう」との声が上がったのである。)
今回製作した「勝手に入るゴミ箱」は、実家でのんびり過ごしていた時にゴミ箱に向かってゴミを投げた際に外してしまい、その時に感じた「ゴミ箱が動いてくれたらいいのに...」というささいな思いから製作にいたったとのこと。
たしかに、ゴミを投げ外したあとに結局拾いに行って捨てなければならない虚しさ...誰しもがそう感じる場面かもしれない。
「勝手に入るゴミ箱」はその名の通り、ゴミを投げると自ら移動して勝手にキャッチしてくれるゴミ箱である。
壁に貼り付けられたセンサが、投げられたゴミを検知し、PCで落下位置を予測、ゴミ箱がその位置に先回りしてキャッチするという仕組みになっている。作成にあたって苦労したことは、センサーの精度が悪くなかなか命中してくれないことだったそうだ。
そして「なんの変哲もないただのゴミ箱が動く」という驚きを再現したいという気持ちから、"外から見たらただのゴミ箱にしか見えない仕様"に強くこだわりがあり、ゴミ箱の内部に本体をおさめるのが大変だったらしい。また、ゴミ箱自体の重心が高く、なるべく重心を下げて俊敏に動けるようにするのにも苦労したとのこと。こうしたいくつもの課題を乗り越え、機構をぎりぎりのスペースに収めるように試行錯誤し、ようやく完成させることができたのである。
今回の作品には、アルミの丸い板、L字のシャフトホルダ、ホイールを削るのにHAKUを使用されたようである。そのことに関して、みのくらさんから「よりコンパクトに低重心に作る必要があり、小さく精度の高い金属部品を加工する場面でHAKUが活躍してくれました。」というありがたい言葉をいただいた。HAKUを使うことで作品の見栄えなどの完成度が良くなりレベルが上がったそうだ。
(弊社ではすでに mini-CNC HAKU の生産は終了し、現在 KitMillシリーズ の生産販売を行っております。)
みのくらさんから今後のものづくりへの意気込みをいただくことできた。
「今後も自由な発想で面白いものを作っていきたいです。作ったものは動画にまとめて多くの人に見てもらい、また反応を頂ければ嬉しいです。ゴミ箱の精度を上げてものづくり文化展に投稿できたら良いですね。」
また、合わせてこのような言葉をいただいた。
「HAKUがあることで部品加工の自由度、設計の自由度が大きく広がりました。そのため今まで諦めていたアイデアなどが実現できる可能性が広がったと思います。」
みのくらさん、今回は私たちの取材を引き受けてくださってありがとうございました。
記者あとがき
取材中にみのくらさんが「私のものづくりは元々は単純な好奇心からスタートしている。」とおっしゃっていた。
動機は純粋でよいのである、仮にくだらないと言われるものでも、自己満足でも、作りたいものを実現させる。ものづくりはそれほど自由であってもよいと思う。
機能や実用性を追求することだけがものづくりの楽しさではないのだとあらためて感じた。
皆さんの作り上げた作品をものづくり文化展へお気軽に投稿ください。
ご希望であれば取材にも伺わせていただきます。
皆様の素敵な作品の投稿をお待ちしております。